Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
スピンネマティック相の出現を理論的に検証すると同時に、その特性を明らかにするために、以下の研究を行った。1.固体ヘリウム3薄膜の核磁性を記述する三角格子多体スピン交換模型において、スピンネマティック状態が基底状態に現れることを示した。また、この模型は、最近の固体ヘリウム3薄膜の磁化曲線中に観測されたせまい1/2磁化プラトーを良く再現することを確認した。これらの結果から、固体ヘリウム3薄膜において、スピンネマティック状態が実現していることが期待される。(桃井)2.正方格子上のJ1-J2スピン模型において、最近接相互作用J1が強磁性の時、J1とJ2の競合が強い領域において、スピンネマティック相が出現することを変分モンテカルロ計算により示した。(桃井)3.N自由度を持つ一般化したJ1-J2スピン模型を用いてスピンネマティック状態を記述し、1/N展開法によりスピンネマティック相における動的物理量の振る舞いを明らかにした。(桃井)4.近年、擬1次元銅酸化物フラストレート磁性体(LiCuv04など)が、マルチフェロイクスおよび多極子秩序相を示す系として、注目を集めている。これらは全て最近接強磁性相互作用J1と次近接反強磁性相互作用J2を持つJ1-J2スピン鎖構造を有している。我々は、J1-J2スピン鎖模型に3次元鎖間結合を加えた系を調べ、温度磁場相図を完成させた。鎖間結合の種類に依存しながらスピン密度波相またはネマティック相が低温で現れることを定量的に示した。(佐藤、引原、桃井)5.開放端をもつ系のハミルトニアンにある種のエネルギー変調を施すことで、系の基底状態における開放端の効果を完全に無効化し、周期系と全く同じ基底状態を実現することが可能であることを明らかにした。この結果は低次元フラストレート系にも適用可能であり、今後の当該研究分野の進展に大きく寄与することが期待される。(引原)
All 2012 2011 2010
All Journal Article (13 results) (of which Peer Reviewed: 13 results) Presentation (28 results)
Phys.Rev.Lett.
Volume: 108(5) Issue: 5
10.1103/physrevlett.108.057206
Phys. Rev. B
Volume: 85 Issue: 5 Pages: 54416-54416
10.1103/physrevb.85.054416
Journal of Physics : Conference Series
Volume: 320 Pages: 012014-012014
10.1088/1742-6596/320/1/012014
Physical Review B
Volume: 84(13) Issue: 13
10.1103/physrevb.84.134414
Volume: 84(21) Issue: 21
10.1103/physrevb.84.214418
Mondern Phys.Letters B
Volume: 25 Issue: 12n13 Pages: 901-908
10.1142/s0217984911026607
Phys.Rev.B
Volume: 84 Issue: 16
10.1103/physrevb.84.165132
Volume: 83
Modern Physics Letter B
Volume: (印刷中)
日本物理学会誌
Volume: 65 Pages: 345-348
J.Phys.: Condens.Matter
Volume: 22
Volume: 82