Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
さまざまな機能を発現する遷移金属酸化物絶縁体を用いた電子デバイスの開発を行っている。特に、良好なデバイス特性を引き出すための手段として、本研究では、遷移金属酸化物層やその界面にデバイスを動作させる機能元素をドーピングしたデバイスに着目している。今回、ターゲットしたデバイスは、スピン偏極電流生成デバイスである、強磁性絶縁体を障壁層に用いたスピンフィルタートンネル接合素子である。強磁性絶縁体障壁層に用いたペロブスカイト型酸化物の機能元素置換することと、強磁性絶縁体障壁層/強磁性金属層(スピン偏極電流検繊層)界面の強磁性結合を原子層・分子層スケールでの界面制御を行うことで、これまで報告された中でもっとも高いスピン偏極率を得ることに成功した。レーザー分子線エピタキシー法で、SrTiO_3(100)基板上に作製したLaNiO_3(金属:電流注入電極)/Pr_<0.8>Ca_<0.2>Mn_<1-x>Co_xO_3(強磁性障壁層)/SrTiO_3(独立磁化反転障壁層)/La_<0.6>Sr_<0.4>MnO_3(スピン偏極電流検出層・ハーフメタル下部電極)エピタキシャル積層構造を、イオンミリングとフォトリソグラフィーにより微細加工しスピンフィルタートンネル接合素子を作製した。これまでの実験で、工夫・改良を進めてきた積層型2端子素子作製のための微細加工技術を向上させ、酸化物強磁性絶縁体の膜厚を数nm程度まで薄くした薪しいデバイス・スピンフィルター素子の作製に成功した。報告されている中で一番高いトンネル磁気抵抗値(TMR)を得ることに成功している。H23年度はさらに優れたデバイス特性を得るために、スピン偏極電流検出層・ハーフメタル下部電極と強磁性障壁層の強磁性結合を完全に断ち切るSrTiO_3・独立磁化反転障壁層を0.8nm(2 unit cell)挿入したデバイスを作製した。その結果、さらに高いデバイス特性、100%以上のTMR比とnormal metalから50%以上のスピン偏極率の電流を得ることに成功した。
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
研究で計画した機能元素ドープ・置換材料を用いた2つ新しいデバイスの開発に成功した。1つは抵抗変化型メモリーの多値化、もう一つは、スピンフィルタートンネル接合素子ある。両社とも、機能元素によりデバイス動作しており、高機能化と高信頼デバイス特性を得ることに成功している。
これまでの研究で、機能元素を積極的に活用したデバイスの提案と試作を行ってきた。機能元素をドープまたは置換することで、デバイス特性の向上と制御を実現した。今後は、機能元素ドープ・置換マテリアルを利用したより高度なデバイス開発と提案が重要となる。たとえば、量子閉じ込め効果などの量子効果を積極的に取り入れたデバイスなどである。機能元素ドープ・置換マテリアルの高性能・省電力消費デバイス材料としての可能性を示す必要がある。
All 2011 2010
All Journal Article (9 results) (of which Peer Reviewed: 9 results) Presentation (22 results)
Journal of Applied Physics
Volume: 110 Issue: 6
10.1063/1.3641982
Volume: 110 Issue: 5
10.1063/1.3631821
physica status solidi A
Volume: 208 Issue: 4 Pages: 900-903
10.1002/pssa.201026608
physica status solidi-Rapid Research Letters
Volume: 5 Issue: 1 Pages: 34-36
10.1002/pssr.201004467
Volume: 5 Pages: 34-36
Journal of the Ceramic Society of Japan
Volume: 118 Pages: 993-996
Physical Review B
Volume: 81
Materials Science and Engineering : B
Volume: 173 Pages: 36-39
Applied Physics Letters
Volume: 97