ナノデバイス応用に向けたカーボンナノチューブ自己複製成長法の研究
Publicly Offered Research
Project Area | Carbon nanotube nanoelectronics |
Project/Area Number |
22016008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 慶裕 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30393739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根岸 良太 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30381586)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2011: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 成長核 / 化学気相成長法 / 自己複製成長 / カイラリティ / フラーレン / ナノダイヤモンド / 単層カーボンナノチューブ / カイラリティ制御 |
Research Abstract |
カーボンナノチューブ(CNT)のナノデバイス応用には特定構造を持った単層CNTを選択的に合成する手法の確立が必須である。本研究課題の究極的な目標は、予め特定の構造のみに分別したCNT成長核から同一構造のCNTを再成長(自己複製成長)する技術を開拓し、この問題を解決することにある。H23年度は、H22年度に引き続いて、結晶成長核(フラーレンC60)からの高効率CNT成長法の確立を進めた。フラーレンはCNT構造の一部(キャップ構造)と見なせる。フラーレンからのCNT成長はCNT自己複製成長と類似の過程で進行するため、CNT自己複製成長実現に向けた要素技術となる。さらに、ラマンスペクトルによるCNT成長の効率検証も容易である。昨年度に見出した条件をもとに、高効率成長を実現する指針を探索した結果、成長効率は炭素源ガス(エタノール、アセチレン)の組成や基板上でのフラーレン分子の会合状態に極めて敏感であることを見出した。炭素源ガスにおけるエタノール比率が高いほどCNT成長効率も向上する。しかも、フラーレンと同様に結晶性のナノ粒子であるナノダイヤモンドを成長核とした場合には全く逆の傾向が観測された。これらの結果を基に、成長最初期段階におけるキャップ構造形成と定常的なCNT成長段階におけるエッジ活性化の維持が成長効率を支配することを明らかにした。また、ポリマー状に凝集したフラーレンからCNTが著しく高効率に成長する現象も見出した。しかし、径分布の解析から、成長したCNTの径は1nmを超える場合が多く、自己複製成長と同様の様式でC60半球構造から成長した場合に期待される約0.7nmよりもはるかに太いことが判明した。これはフラーレン集合体がナノダイヤモンドと同様の固体成長核として機能するためと推定される。以上のように、自己複製成長によるCNT構造制御を高効率に行うためには、気相条件に加えて、会合状態の最適化が重要な要因であることを明らかにした。
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Report
(2 results)
Research Products
(32 results)