時間分解分光法によるミクロからマクロにおよぶタンパク質の反応ダイナミクスの理解
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Science for Supra Functional Systems ? Development of Advanced Methods for Exploring Elementary Process |
Project/Area Number |
22018012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
井上 圭一 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90467001)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 2011: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 時間分解分光 / タンパク質 / 反応ダイナミクス / ミクロ / マクロ |
Research Abstract |
本年度は平成22年度において実施されたSensory Rhodopsin I (SrSRI)について過渡回折格子法や、過渡吸収法などを用いた時間分解測定を行い、そのダイナミクスや拡散運動についてさらなる知見を得た。そしてこれらの成果をJ. Phys. Chem. B誌に発表した。またさらに新たな対象として海洋性細菌の持つプロテオロドプシン(PR)とその変異体についても研究を行い、アミノ酸変異によるプロトンポンプ活性の変化が分子間のプロトン移動効率の変化によって引き起こされることを明らかにした。これらについては既に学会誌への論文投稿を済ませており、現在印刷中である。 その他の研究成果としてA03班須藤チームとの共同研究により、新たに多波長の励起光を用いた過渡吸収測定を行うことで、Middle Rhodopsin (MR)のフォトサイクルについて研究を行った。MRは複数の発色団の異性体を持つことが知られているが、通常の単一励起波長による測定では各異性体からの信号を分離することが出来ない。しかし本研究では励起波長依存性をもとめることで、異性体間の信号の分離を実現し、それをもとにしたフォトサイクルの解明に成功した。その結果異性体ごとにフォトサイクルの時間スケールがサブミリ秒から数十ミリ秒までの幅広い範囲に分布するという知見を得、これまで報告例がなかった11-cisレチナールを持つ微生物型ロドプシンの反応ダイナミクスの観測を初めて行うことができた。これらの成果についても現在学会誌へ論文として投稿中である。 また階層的な理解を目指すため、現在新規ロドプシンについて時間分解赤外分光を行っており、これらについても成果がまとまりしだい、学会発表や学術誌への論文投稿などを通して発表を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りの分光実験の結果が得られており、それに基づいた学会発表や学術誌への論文発表を達成したため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は本年度をもって終了するが、今後はこれらの成果や本研究課題で確立した測定法を元に、さらなる光受容タンパク質の理解に向けた研究を行っていく予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(27 results)