Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
本研究では、実在高次系である蛋白質そのものを研究する一方で、その触媒反応の本質のみを取り出したモデル系の研究も重要と考え、自己組織化により形成された「かご状有機金属錯体」のナノ空間中での光化学反応を赤外および可視分光法により明らかにすることを目指している。これまでにアダマンタンを内包したかご状錯体に対する低温赤外分光解析により、光電子移動によるアダマンタンおよびかご状錯体の構造変化を検出した(Y.Furutani et al.,J.Am.Chem.Soc.,2009)。このような構造変化を実時間で捉えるために、新たに時間分解赤外分光計測系を立ち上げた。かご状錯体のアダマンタンの光酸化反応は不可逆的であるため、繰り返し励起が可能な[Ru(bpy)_3]^<2+>」・2Cl^-を用いて計測条件の最適化を行った。50ナノ秒での光反応誘起赤外差スペクトルの計測が可能であることを確認した。光受容タンパク質であるバクテリオロドプシンに対して行った時間分解赤外分光計測のデータをSVDやGlobal Fittingにより詳細に解析した。バクテリオロドプシンの内部結合水の0-D伸縮振動やレチナールシッフ塩基のN-D伸縮振動を帰属した。これらの赤外スペクトル変化はプロトン移動が行われる中間体状態でのタンパク質内部の水素結合構造の変化を捉えたものである。カリウムイオンチャネルであるKcsAはアルカリ金属イオンであるK^+を選択的に透過するイオンチャネルである。そのイオン透過孔での配位構造を明らかにするため、全反射赤外分光解析による研究を平成20年度から継続して行っている。カリウム濃度依存的な赤外差スペクトルを解析することにより、アミドIに特徴的な変化が見られることを明らかにした。
All 2012 2011 2010
All Journal Article (9 results) (of which Peer Reviewed: 8 results) Presentation (28 results)
Biochemistry
Volume: 51 Issue: 6 Pages: 1126-1133
10.1021/bi201676y
Biophys.J
Volume: 100 Issue: 8 Pages: 1874-1882
10.1016/j.bpj.2011.02.054
Biophys.J.
Volume: 100 Issue: 9 Pages: 2178-2183
10.1016/j.bpj.2011.03.026
化学と工業
Volume: 64 Pages: 694-695
10029523383
J.Am.Chem.Soc.
Volume: 133 Pages: 2860-2863
Volume: 49 Pages: 3343-3350
Volume: 132 Pages: 5693-5703
J.Phys.Chem.B
Volume: 114 Pages: 9039-9046
Volume: 49 Pages: 5642-5650