発生期に新しく誕生した神経細胞が分化過程で増殖能を失うメカニズム
Publicly Offered Research
Project Area | Cell Proliferation Control |
Project/Area Number |
22019010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
味岡 逸樹 東京医科歯科大学, 脳統合機能研究センター, 准教授 (10348790)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥5,700,000 (Direct Cost: ¥5,700,000)
Fiscal Year 2011: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | Rbファミリー / 細胞周期 / 細胞分化 / 網膜 / 水平細胞 |
Research Abstract |
中枢神経系の発生過程において、個々の神経細胞は、特定の神経細胞への運命決定、最終配置部位への移動、シナプス形成などの一連の過程を経て分化を遂げる。この細胞分化過程において、多くの神経細胞は増殖能を失い、強制的に細胞周期を進めると細胞死を起こす。しかし、細胞分化過程のどの段階で増殖能を失うのか明らかになっていない。本年度は興奮性大脳皮質神経細胞の分化過程に着目し、増殖能を失う時期を明らかにした。興奮性神経細胞は、神経細胞とグリア細胞の両方を産み出す大脳皮質の頂端側前駆細胞から直接、あるいは、神経細胞のみを産み出す基底側前駆細胞を経て産み出される。その後、神経突起を多方向に伸ばしながら移動し、最終的には頂端側前駆細胞の突起に沿って、放射状に移動する。我々は、癌抑制遺伝子Rbとそのファミリー遺伝子をそれぞれの時期で急性不活化させるために、Z/EG;Rb Lox/Lox;p107-/-;p130 Lox/Lox(Rb-TKO-Z)の胎仔大脳前駆細胞に、それぞれの時期に活性化するプロモーターの下流でCreを発現するプラスミドを遺伝子導入して増殖能を失う時期を検討した。具体的には、頂端側前駆細胞で活性化するHes1プロモーター、基底側前駆細胞で活性化するTbr2プロモーター、多極性移動時に活性化するNeuroD1プロモーター、樹状突起を形成する時期に活性化するMap2プロモーターの下流でCreを発現するプラスミドを作製し、Rb-TKO-Zに遺伝子導入した。その結果、Hes1、Tbr2、NeuroD1プロモーターで急性不活化させたRbファミリー欠損幼若神経細胞は増殖し、Map2プロモーターで急性不活化させた幼若神経細胞はG2/M期に進入しなかった。すなわち、興奮性の大脳皮質神経細胞は樹状突起形成時期に細胞増殖能を失うことが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)