Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
我々の研究室はこれまでの研究で、細胞分裂期中期において、分裂装置・スピンドルを構成する微小管を増幅し、染色体を正確に姉妹細胞へ分配するために必要なタンパク質複合体「オーグミン」をショウジョウバエおよびヒトより同定した。オーグミン複合体は8つのサブユニットから構成され、ヒト培養細胞においては、欠損させると細胞質分裂に顕著な異常が認められた(Uehara et al. Proc Natl Acad Sci USA 2009)。平成22年度、我々は、この細胞質分裂異常の原因を追究した。HeLa培養細胞を用いた微小管脱重合・再重合アッセイ、微小管先端のライブイメージング実験により、我々は、1)オーグミン複合体およびハープと呼ばれるタンパク質が、分裂後期に分配途上の染色体近傍で新たに微小管を生み出すのに必要であること、2)この後期に新たに生まれた微小管が中央スピンドルと呼ばれる構造体の構築に貢献を果たすこと、3)一方、中心体微小管の寄与は限定的であること、を見出した。さらに、オーグミン、ハープタンパク質の機能を阻害した状態での微小管量の定量的解析から、中央スピンドルの微小管の半分以上がオーグミンに依存した微小管増幅機構によって生み出されていることを明らかにした。これまで、中央スピンドルの構築過程において、染色体近傍で新たに微小管が生成されるということはほとんど想定されておらず、我々の発見は、細胞分裂後期の重要イベントに新たな知見をもたらした。本研究成果は2010年10月に公表した(Uehara and Goshima, J Cell Biol)。
All 2010 Other
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J Cell Biol
Volume: 191 Pages: 259-267
Annu Rev Cell Dev Biol
Volume: 26 Pages: 21-57
Curr Biol
Volume: 20 Pages: 1080-1085
http://bunshi4.bio.nagoya-u.ac.jp/~tenure2/goshima.html