二核細胞をつくりだす細胞周期制御
Publicly Offered Research
Project Area | Cell Proliferation Control |
Project/Area Number |
22019034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
谷口 喜一郎 学習院大学, 理学部, 助教 (20554174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 卓 学習院大学, 理学部, 教授 (20221723)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 2011: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2010: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | ショウジョウバエ / 細胞周期 / 細胞質分裂 / 二核化 / 中心紡錘体形成 / mushroom body defect / NuMA / 生殖器官 / 細胞分裂 / 二核細胞 / 生殖器附属腺 |
Research Abstract |
ショウジョウバエ附属腺では最終有糸分裂において、細胞質分裂をスキップすることで、細胞質内に核を2つ持つという二核状態をつくりだす。申請者は、22年度までの研究において、二核化時は中心紡錘体が発達しないために、細胞質分裂が抑えられていることを明らかにした。さらに申請者は、二核化時に紡錘体軸形成を制御する遺伝子として、mud/NuMAを同定した。23年度の研究では、mud/NuMA遺伝子による中心紡錘体制御の解析を行った。 mud/NuMA突然変異体およびmud/NuMAノックダウンを行った附属線では、二核化時おいても中心紡錘体が発達し、細胞質分裂が進行する。過去の研究において、Mud/NuMAは、Pinsと相互作用することで、紡錘体軸の決定を行っていることが知られている。このことから、二核化時においてもMud/NuMAはPinsと相互作用を行い働いていると予想される。しかしながら、Pins遺伝子のノックダウンを行った附属線では、二核化時においてわずかに細胞質分裂が亢進するものの、中心紡錘体形成を大きく発達させるには至らなかった。この結果は、Pins非依存的なMud/NuMAの働きが、二核化時における細胞質分裂スキップを制御していることを示唆している。 Mudは、複数のスプライシングバリアントを持つ遺伝子であるが、メインバリアントであるMud^<long>以外の機能は不明である。上記の結果を踏まえ申請者は、Pins結合ドメインを持たない特徴的なスプライシングバリアントである、Mud^<short>に注目した。驚くべきことに、Mud^<short>は"細胞質分裂を抑える"、"Pins非依存的に頂端基底時期に沿った紡錘体極性をつくる"といった既知の機能とは大きく異なる機能をもつことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者は、本研究課題の目的である、細胞分裂と二核化の制御点の違いについて解明した。さらに、当初の計画以上の成果として、細胞分裂と二核化の違いを生み出す遺伝的制御機構を明らかにできた。一方で、新たな成果を得たことにより、論文投稿を含めた研究成果のまとめについては、当初の計画よりもわずかに遅れている。以上を踏まえ、"(2)おおむね順調に進展している"との自己点検評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
ショウジョウバエモデルを用い二核化の解析を行うことで、"Mud/NuMAのスプライシングバリアント特異的な中心紡錘体形成"という新たな細胞質分裂制御メカニズムを明らかにできた。一方で、二核細胞はショウジョウバエ附属線のみならず、哺乳類においても肝細胞や心筋細胞においても存在している。とりわけ肝細胞(hepatocyte)は、肝臓の状態に応じて二核化と細胞分裂の転換を行うことが知られている。本研究課題の今後の方針は、ショウジョウバエにおいて明らかになった機構が、哺乳類においても適応可能かどうかを明らかにすることである。申請者は肝細胞(hepatocyte)の初代培養細胞を用いて、この問題に取り組むことを計画している。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Canonical Wnt signaling in the visceral muscle is required for left-right asymmetric development of the Drosopbila midgut2012
Author(s)
Junpei Kuroda, Mitsutoshi Nakamura, Masashi Yoshida, Haruka Yamamoto, Takaaki Maeda, Kiichiro Taniguchi, Naotaka Nakazawa, Ryo Hatori, Akira Ishio, Ayumi Ozaki, Shunsuke Shimaoka, Tamiko Ito, Hironao Iida, Takashi Okumura, Reo Maeda, Kenji Matsuno
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Journal Title
Mechanisms of Development
Volume: 128
Issue: 11-12
Pages: 625-639
DOI
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Peer Reviewed
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