Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
真核細胞において、染色体DNA複製は多数の複製起点から起きる。ゲノムに散らばって多数存在する複製起点の選択、複製起点活性化のタイミングやその核内配置は発生や分化の過程で著しく変化し、DNA複製の制御機構が多様で複雑かつ柔軟性を持ったシステムであることを示しているが、その制御システムの背後にどのような分子基盤があり、またそういった現象が生物にとってどのような意味を持つのかといった点については未だに不明なままである。本研究では出芽酵母をモデル系として用いて、DNA複製起点活性化の時間的制御プログラムの分子レベルでの実態の解明を目指した。平成23年度の研究では、DNA複製開始過程に関わるいくつかの因子の細胞内でのタンパク質分子数が、複製起点となるDNA領域の数よりもかなり少なく、これらの因子の特異的な分配・結合がタイミング制御の実体と関連があることを示した。また、このような変化は特定の複製起点でのみ起きるわけではなく、ゲノムワイドに起きていることも次世代シークエンサーを用いた解析から示した。さらに、これらの因子の特異的な分配に、染色体DNA複製開始を司るタンパクキナーゼであるDDK(Dbf4-dependent kinase)が関与していることを見いだした。高等動物細胞でも、特定の複製開始因子のコピー数が少ないこと等が報告され始めており、本研究の成果は、今後多細胞真核生物の発生・分化の過程で変化するDNA複製起点の制御プログラムを理解していくための第一歩となるものである。
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PLoS Genet
Volume: 7 Issue: 6 Pages: e1002136-e1002136
10.1371/journal.pgen.1002136
Curr. Biol
Volume: 21 Issue: 24 Pages: 2055-2063
10.1016/j.cub.2011.11.038
PLoS Genetics
Volume: 7(In press)
Chromosoma
Volume: 119 Pages: 565-574
http://www.nig.ac.jp/labs/MicGen/index.html