Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
トランス・トランスレーションは、tmRNAと呼ばれる低分子RNAが情報分子mRNAと情報を読み取る分子tRNAの両方の機能を果たすことで異常mRNAから翻訳を引き継ぎ、結果として2本の情報分子から1本のキメラペプチドを合成する変則的翻訳であり、細胞においては「何らかの原因で滞った翻訳を解消し、そこから生じる異常タンパク質を処理する、真正細菌に特異的な細胞秩序維持システム」と理解される。本研究では、トランス・トランスレーションがmRNA上のどの位置でおこるのか、どのようなときに起こるのか、どうしてこの位置で起こるのか、という点について明らかにしていくことで、多彩な細胞機能との関係を明らかにすることを目的とした。tmRNA結合蛋白質SmpBの点変異体を多数作成し、トランス・トランスレーションの各ステップにおける変異の効果を、ペプチジルtRNAからAla-tmRNAへのペプチド転移ならびにクエンチフローを用いたEF-TuによるGTP加水分解活性を指標に解析を行った。今年度は、特にtRNAの下半分を分子擬態すると考えられるN末端の球状ドメインに焦点を当てて解析を行った。その結果、EF-TuによるGTP加水分解時にAla-tmRNA/SmpBをリボソームから解離する変異体、ならびにEF-Tu非依存的にAla-tmRNA/SmpBがAサイトに結合する変異体などを取得することができた。また、それらの変異体の解析から、Ala-tmRNA/SmpB(トランス・トランスレーション)はアミノアシルtRNA(通常の翻訳)と比較してEF-Tu非依存的にAサイトに結合する経路が太いことを明らかにした。
All 2012 2011 2010
All Journal Article (5 results) (of which Peer Reviewed: 5 results) Presentation (18 results) Book (3 results)
J.Nucleic Acids
Volume: 2011
EMBO J.
Volume: 30 Pages: 104-114
RNA
Volume: 16 Pages: 980-990
Nucleic Acids Res.
Volume: 38 Pages: 5909-5918
Mol.Microbiol.
Volume: 78 Pages: 789-791