Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
私たちはこれまで、アルツハイマー病発症に関わるAβの前駆体タンパク質APPが、ERADに関与するユビキチンリガーゼHRD1の基質となることを明らかにした。また、ERADに関与すると予測される新規のユビキチンリガーゼをバイオインフォマティクス的手法で51種同定し、8種の遺伝子をクローニングした。昨年度、私たちはその中からAPPのユビキチン化と分解に関与するユビキチンリガーゼとしてRNF19BおよびRNF19Bと相同性が高いユビキチンリガーゼにDorfin(RNF19A)を見出した。興味深いことに、RNF19BとDorfinはHRD1と同様にAPPの分解に関与するものの、HRD1とは異なり、Aβの産生機構に関与することが判明した。そこで、RNF19BとDorfinが、Aβの産生におけるいずれのステップに関与するか検討したところ、γ-セクレターゼによるAPPのC末端断片(CTF)の切断に関与することが明らかとなった。また、γ-セクレターゼは、APP-CTF以外にも細胞分化に必要なNotchの切断に関わることが知られている。そこでさらに、RNF19BとDorfinのNotch切断への関与を検討したところ、Notchの切断には影響しないことが証明された。これらの結果より、RNF19BとDorfinは、γ-セクレターゼによるAPP特異的なプロセシングに関与することが示された。したがって、RNF19BやDorfinもしくはその関連分子をターゲットとした薬物は、これまで副作用が問題となっているγ-セクレターゼ阻害薬とは異なり、Notchに影響しないAβ産生抑制薬として、新しい作用機序に基づくアルツハイマー病治療薬となる可能性が考えられる。
All 2012 2011 2010
All Journal Article (7 results) (of which Peer Reviewed: 7 results) Presentation (33 results)
Biological and Pharmaceutical Bulletin
Volume: 35 Issue: 2 Pages: 269-272
10.1248/bpb.35.269
130001872305
Journal of Pharmacological Sciences
Volume: 118 Issue: 3 Pages: 325-330
10.1254/jphs.11R11FM
10030455441
Volume: 118 Issue: 3 Pages: 317-318
10.1254/jphs.11R12FM
10030455359
Volume: 117 Issue: 3 Pages: 208-212
10.1254/jphs.11120SC
10030453464
J.Pharmacol.Sci.
Volume: 113 Pages: 285-288
Volume: 114 Pages: 230-233
Volume: 114 Pages: 420-432