Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究計画は、電子スピン量子ビットに対する核スピン量子メモリを最終目標とし、互いに異なる電子スピンg因子をもつ2つの量子ドットが結合した系(異種g因子2重量子ドット)におけるスピンプロッケード効果と核スピン効果を探求するものである。平成23年度は計画どおり、設備備品費で購入するDCパスル発生器を測定系に組み込み、既設のrf交流磁場導入用の高周波用同軸線に加え、最短でナノ秒までのDCパルスを導入できる同軸線を新たに冷凍機に導入し、特定の電子スピン3重項状態から電子スピン1重項状態への選択的電子スピン・核スピン散乱が起こるソースドレイン電圧値とこれ以外の値の間をDCからGHz帯までの幅広い時間スケールでスイッチすることでドット内の核スピンが一方方向へ偏極してゆくダイナミクスの時間分解測定を行った。その結果、1-10MHz帯のDCパルス列を印加した際の核スピン状態が、偏極状態と非変局状態の2状態の間を測定毎にstocasticに遷移するという新規な現象を観測した。これはマクロに区別できる2つの偏極状態の巨視的重ね合わせ状態が生成されている可能性を示すものとして興味深く、核スピン量子メモリへの応用を視野に入れたさらなる研究の対象になりうるものと考える。また本研究で開発された核スピンの電気的制御・検出手法を応用することで、異種g因子2重量子ドットで一方のドットにのみ少量含まれるIn原子のNMRシグナルを電気的に検出することにも成功している。ドットに含まれるIn原子はわずか10,000個であり、この手法が従来のNMRにくらべ非常に高感度であることを示した。
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Appl.Phys.Exp.
Volume: 5 Pages: 25002-25002
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Volume: 80 Pages: 23701-23701
Volume: 104 Pages: 136801-136801
Volume: (印刷中)