広範な屈折率領域における高透明度シリカエアロゲルの開発
Publicly Offered Research
Project Area | Quest on new hadrons with variety of flavors |
Project/Area Number |
22105502
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
河合 秀幸 千葉大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (60214590)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2011: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | シリカエアロゲル / チェレンコフカウンター / 任意屈折率 / 高透明度 / 粒子識別 / 素粒子実験 / 粒子識別装置 / チェレンコフ輻射体 |
Research Abstract |
シリカエアロゲルは二酸化珪素の千分子程度の微粒子が3次元的に数珠繋ぎになって、間に大量の空気を含んだ物質である。シリカや空気の塊の大きさが可視光の波長よりはるかに小さいので光学的には一様な物質のように振る舞い、その屈折率はシリカと空気の体積比で決まるため製造時の原料と溶媒の比によって調節可能である。本研究の開始直前では屈折率が1.007から1.06の範囲の製法が確立していたが、その外側の屈折率領域では数回に一度程度の確率で試作に成功するという状況であった。本研究では我々の新製法であるピンホール乾燥法を確立し、安定に製造できる屈折率範囲を1.0025~1.25に大幅に拡大することができた。また透明度も大幅に向上し、例えば屈折率1.06では波長400nmにおける透過長が従来製法の35~40mmから55~60mmに向上した。 Super-Belleでは高運動量部分の粒子識別装置として屈折率1.05~1.06のシリカエアロゲルを用いたRing Image Cherenkov Counter(Aerogel-RICH)を使用する予定であるが、本研究により一事象当たりの測定光子数が8個→12個程度に増加し、π/K識別能力が98%→99.5%程度に大幅に向上することが期待できる。 LEPS/LEPS2では電子陽電子対生成反応を除去しなければならないが、本研究により屈折率1.003程度の超低屈折率シリカエアロゲルを用いてπに感度のない理想的なe+e-veto counterの可能性が見えた。また大面積(数平方m)で薄い(奥行き10cm以下)のπ/K識別カウンターが実現可能となった。 J-Parcのいくつかの実験では大強度陽子加速器特有の実験条件としてトリガー頻度を下げるためにトリガー段階における粒子識別が必要となるが、これが可能な粒子識別装置はしきい値型チェレンコフカウンターだけである。本研究により広範囲な屈折率領域のチェレンコフ輻射体が得られるようになった。EO4(弾性散乱陽子の除去)、E16(π/K識別)、E36(陽電子/μ識別)などでシリカエアロゲルの製作と実験グループへの参加を要藷されている.
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)