有限密度でのUA(1)量子異常とカイラル対称性回復の検証に関する理論研究
Publicly Offered Research
Project Area | Quest on new hadrons with variety of flavors |
Project/Area Number |
22105510
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
永廣 秀子 奈良女子大学, 理学部, 助教 (10397838)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2011: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 中間子原子核 / 量子異常 / カイラル対称性 / 理論核物理 |
Research Abstract |
本研究は、対称性を手がかりとしてハドロンの多彩なエネルギースペクトルを理解することを最終的な目的とした研究である。その一環として具体的には、有限媒質中でのUA(1)量子異常の振る舞いおよびカイラル対称性の部分的回復の徴候を観測することを目的として、原子核中でのeta-prime(958)中間子の質量減少を実験的に観測することを目指した理論研究を行った。eta-prime(958)中間子は、他の南部ゴールドストーン粒子に比べて遙かに重い質量を持っており、これはUA(1)量子異常項の存在により説明されると考えられている。重要なことは、その同じ理論体系がカイラル対称性の回復に伴う同粒子の質量減少を予言していることである。しかし、その実験的検証は現在の所皆無であり、この質量減少を実際に実験的に観測することは、カイラル対称性の部分的回復やハドロンの質量生成機構の解明につながる重要なファクターである。 本研究では、eta-prime(958)中間子原子核生成について、(pi,N)反応及び、(p,d)反応を用いた束縛状態の生成可能性を議論し、そのどちらでも束縛状態を生成し、観測可能であることを示した。更に、通常中間子原子核束縛状態は幅が広く、このことが束縛状態をピークとして観測する事を困難にしているが、本研究において、ハドロン有効理論を元に吸収幅の評価を行い、その幅は束縛状態がピークとして観測可能である程度に十分小さいことも示した。これらの理論計算に基づき、実験研究者と共に実験の実施可能性を議論し、共同でドイツ重イオン研究所にeta-prime(958)中間子原子核生成実験の提案を行った。
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Report
(2 results)
Research Products
(20 results)