Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
γ位に置換基をもつアリルボロナートを用いたアルデヒドのアリル化反応は、ジアステレオ選択的にホモアリルアルコールを合成する有用な方法である。この反応ではアリルボロナートの幾何を反映して立体特異的に進行するため、アリルボロナートの幾何を選択的に合成することが、アリル化反応をジアステレオ選択的に進行させるうえで重要な鍵となる。今回、末端アルキンとピナコールボランから容易に合成可能な1-アルケニルボロナートが、ロジウム触媒の存在下で(E)-アリルボロナート((E)-2-アルケニルボロナート)の合成等価体として振る舞い、ジアステレオ選択的にanti体のホモアリルアルコールが得られることを見出した。さらに、末端アルキンとシリルボランから容易に合成可能な2-シリル-1-アルケニルボロナートを用いると、選択性が逆転してsyn体のホモアリルアルコールが得られることも見出した。[Rh(nbd)(CH_3CN)_2]SbF6鉗体とdppmから調製したロジウム触媒の存在下で4-クロロベンズアルデヒドに(Z)-1-ペンテニルボロナートを作用させると、1-(4-クロロフェニル)-2-エチルブタ-3-エン-1-オールが収率86%、anti/synの比が96:4のジアステレオ選択性で得られた。本反応はロジウム触媒によるアルケンの異性化反応により(E)-2-ペンテニルボロナートが生成し、ついで(E)-2-ペンテニルボロナートのアルデヒドへの付加反応が6員環いす型遷移状態を経て進行し、anti体のホモアリルアルコールを与えたものと考えうれる。次に、様々な(Z)-1-アルケニルボロナートを用い、4-クロロベンズアルデヒドのアリル化反応を試みたところ、高い収率かつ高いジアステレオ選択性で対応するanti体のホモアリルアルコールが得られることがわかった。
1: Research has progressed more than it was originally planned.
今年度は当初「多成分連結反応を鍵とするインドールの迅速合成」の研究を行う予定であったが,研究の途上で「アルデヒドのジアステレオ選択的な新しいアリル化反応」を見出すことができ、当該領域の推進により貢献できた。
末端アルキンとシリルボランから容易に合成可能な2-シリル-1-アルケニルボロナートを用いると、1-アルケニルボロナートを用いたときとは選択性が逆転してsyn体のホモアリルアルコールが得られることを見出したので、今後はこの反応について詳細に研究を進めていく。
All 2012 2011 2010 Other
All Journal Article (7 results) (of which Peer Reviewed: 7 results) Presentation (5 results) Remarks (2 results)
Journal of the American Chemical Society
Volume: 134 Issue: 1 Pages: 194-196
10.1021/ja2104203
Organic Letters
Volume: 13 Issue: 14 Pages: 3560-3563
10.1021/ol200957y
Angewandte Chemie International Edition
Volume: 50 Issue: 44 Pages: 10436-10439
10.1002/anie.201105077
Angewandte Chemie, International Edition
Volume: 50 Issue: 48 Pages: 11465-11469
10.1002/anie.201105148
Chemistry Letters
Volume: 39 Pages: 1132-1133
10027314999
Volume: 132 Pages: 15836-15838
Volume: 12 Pages: 4584-4587
http://www.sbchem.kyoto-u.ac.jp/murakami-lab/