環境調和型直接変換反応の集積化を基軸とした含窒素化合物の新規不斉合成法の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Organic Synthesis based on Integration of Chemical Reactions. New Methodologies and New Materials |
Project/Area Number |
22106525
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | Kyushu University (2011) Osaka University (2010) |
Principal Investigator |
大嶋 孝志 九州大学, 薬学研究院, 教授 (10313123)
|
Project Period (FY) |
2010 – 2011
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
|
Budget Amount *help |
¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
Fiscal Year 2011: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2010: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
|
Keywords | 水酸基直接活性化 / 白金触媒反応 / 直接アミノ化反応 / アンモニア / 炭素求核剤 / A1触媒反応 / Letrozole / 連続反応 / 逆反応 / 金触媒反応 / 官能基共存性 |
Research Abstract |
本申請課題では、「環境調和型直接変換反応を集積化する」ことによって、アトムエコノミーおよびステップエコノミーに優れた含窒素化合物の新規不斉合成法を開発することを目的とし研究を行なっている。 平成23年度はその基礎研究として、引き続き白金触媒によるアリルアルコールの直接置換反応の検討を行った。我々は先にPtとbite angleの大きな配位子からなる触媒を用いることで、不活性なアリルアルコールを触媒的に直接活性化しπ-allyl Pt錯体を穏和な条件で生成する事に成功していたが、1級のアリルアミンの短工程かつ効率的な合成プロセスの開発を目指し、窒素求核剤としてアンモニアを用いる検討を行った。この場合、アンモニアの求核性が生成物である1級アミンに比べて極めて低く、生成物が原料に優先してπ-allyl Pt錯体と反応してしまうため、1級アミンを選択的に得ることは困難であったが、反応条件の最適化を行い、dioxane-MeOH-H 2Oの混合溶媒系を用いることによって選択性を大幅に向上させることに成功した。また、求核剤として炭素求核剤を用いる触媒反応の開発にも成功し、高いモノアリル化選択性を得る反応条件を見出すことができた。 一方、求核性の低い電子不足な窒素求核剤に対しては、先にAu触媒を用いることで、酸性条件に不安定な様々な官能基が共存できる温和な反応条件を開発することに成功したが、用いることができるアルコールが比較的カルボカチオン中間体の生成が容易な基質に限られていた。そこで、Boc基などの官能基共存性は残したままで、より広範なアルコールを直接活性化できる触媒の開発を目指し、種々のルイス酸の検討を行ったところ、水にも安定で取り扱いの容易なAl(OTf)_3が優れた触媒活性を示し、これまで報告例のなかったBr基、I基、NO2基、そしてCN基などの電子吸引性基で置換されたbenzhydrol誘導体を用いる反応も高収率で進行することが分かった。また、Br基を有するカップリング体を、乳がんの治療薬であるLetrozoleに高収率で変換することにも成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「環境調和型直接変換反応を集積化する」という目的に対し、複数の集積可能な環境調和型直接変換反応の開発に成功したため。一方で、それらの反応の集積化に関しては、現在検討段階であり、いくつかの有用な結果も得られているが、今後のさらなる検討が必要である。
|
Strategy for Future Research Activity |
本新学術領域研究の最初の2年間の検討によって、当初の研究目的に対して計画以上に進展している部分(環境調和型直接変換反応の開発)とやや遅れている部分(反応の集積化)がある。本新学術領域研究のさらなる2年間の研究では、反応の集積化を特に重点的に検討を行なっていく予定である(研究課題名:環境調和型触媒反応の集積化とフローシステムの活用)。
|
Report
(2 results)
Research Products
(96 results)