Budget Amount *help |
¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
Fiscal Year 2011: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2010: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
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Research Abstract |
トリフルオロメチル基,ジフルオロメチル基などの含フッ素置換基を求核的に有機化合物に導入する反応は,多岐に渡るフッ素化合物を合成する強力な手法である。しかしながら,一般的には「含フッ素アルキル基の求核的導入」は困難を伴う。これは,含フッ素アルキルカルバニオン種の不安定さに起因するものである。特に,β位にフッ素を有するカルバニオンは容易にβ-フッ素脱離を起こし,アルケンを生成する。一方,α位にフッ素を有するカルバニオン種はα-フッ素脱離を起こし,ジフルオロカルベンの発生を伴いながら分解することが知られている。私たちは,脱離反応を抑制した求核的フルオロアルキル基導入反応の開発を目指し,研究を進めてきた。フルオロアルキル銅とハロゲン化アリールとのクロスカップリング反応は,フルオロアルキル芳香族化合物の合成に有効である。今回,α-脱離を抑制した芳香族ジフルオロメチル化クロスカップリング反応,さらに,カスケード環化を伴うトリフルオロメチル化反応を開発した。芳香族化合物へのジフルオロメチル基導入法の開発を目指し,研究を行なった。クロスカップリング法による直接的芳香族ジフルオロメチル化反応は極めて例が少ない。これは反応中間体であるジフルオロメチル金属種が不安定であることに起因する。そこで,以下に示す脱炭酸ルートを検討した。本年度はさらに,フタルアルデヒドを基質とするフッ素官能基導入カスケード環化反応を開発した。フッ化物イオン存在下,o-フタルアルデヒドに対し種々のフルオロアルキルシランを作用させると,求核的フルオロアルキル化/分子内アセタール化を経てフルオロアルキル基を有するイソクマラン誘導体が高収率で得られた。現在,イソクマラン誘導体のイソフラン誘導体への誘導を行なっている。
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