Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究では金属ナノ粒子自己組織化単層膜を高効率に光化学反応を促進する近接場増強型反応場として捉え、これをマイクロ流体デバイスに組み込むことで、フロー合成法に基づく極短時間タンデム合成系に、効率的な光化学反応を空間・時間集積化することを目的として研究を行う。具体的な成果は以下の通り。1.タンデム型流体デバイスの試作:有機溶媒耐性の向上を目的として、マイクロインプリンティング法によるアクリル樹脂製マイクロ流路の作製を行った。まず、シリンジポンプの駆動力と水の粘性係数から一般的な有機溶媒で送液可能なマイクロ流路の流路幅と深さを算出し、効率よくプラズモン増強場での反応が起きるようにジグザグ型の流路長の長い1液用および3液混合用マイクロ流路パターンを設計した。共焦点レーザー顕微鏡により構造評価を行った結果、設計通りに平坦性の高いパターン構造を有するマイクロ流路が作製できていることが明らかとなった。2.光化学反応の空間・時間集積化:作製したマイクロ流路を金ナノ粒子2次元配列固定化基板と接着することで近接場光リアクターを作製し、2-アントラセンカルボン酸の光環化2量化反応を行った。本リアクターを用いれば、金ナノ粒子2次元配列上における電場増強効果により、通常アントラセンの光反応が励起される365nmよりも長波長の可視光(422-750nm)を照射した場合でも効率よく反応が進行し、流路長380mm、幅200μm、深さ100μmのリアクターで流速0.5mL/hの条件下、12%の収率で環化2量化生成物を得ることに成功した。また、金ナノ粒子2次元配列を用いた触媒的シリルエーテル化反応から、プラズモン増強反応場における疎水性界面の基質認識特性を明らかにした。シランの過アルコール分解反応において金ナノ粒子2次元配列基板は他の金ナノ粒子コロイドや金薄膜に比べて遥かに高い触媒活性を示すことを見出した。
All 2012 2011 2010
All Presentation (6 results) Patent(Industrial Property Rights) (1 results)