Budget Amount *help |
¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2011: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2010: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Research Abstract |
分子回転子の回転方向や回転速度の制御を実現することを目的とした.配位プログラミングが目標とする「化学素子」のうち,メカニカル機能を発現する素子の基礎研究として,分子一つの回転を外界から制御し,それを分子一つのレベルで観察する系を構築することをめざした. まず,分子運動をすることができる状態で基板に固定化でき,かつ,電場で配向がコントロールされるための大きな双極子モーメントをもつ分子で,(1)単一分子からの発光をスポットとして検出できる分子1,あるいは,(2)金ナノ粒子を結合し,ナノ粒子の位置を検出できる分子2を設計した.分子1は合成を完了し,基板表面への固定化条件を検討し,全反射蛍光顕微鏡で単一分子からの蛍光を検出できることまで示した.分子2は,数ステップ進行し,後数ステップを残すところである.また,分子の双極子が金ナノ粒子に結合した状態で外部から電場をかけた時の電場分布をシミュレーションで明らかにした. 一方,分子回転子として有望視される新しいダブルデッカー錯体として,ポルフィリンダブルデッカー錯体にさらにポルフィリンが結合した分子を合成し,溶液中での運動を温度可変核磁気共鳴分光法で検討した.この分子は基板上に配列し,走査トンネル顕微鏡で単一分子レベルで観察することに成功した.他の分子と共存させて観察することによって,この分子は基板からの脱理が速く,残念ながら分子の回転を観察するには適していないことがわかった.
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