Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
細胞性粘菌Dictyostelium discoideumの有性生殖様式は主として他家接合で、I型、II型、III型の3種類の交配型が知られている。それぞれ自分とは異なる交配型の配偶子とのみ融合して接合子を形成し、マクロシスト形成に至る。これまでに有性生殖関連遺伝子として細胞融合能を失った変異体の原因遺伝子macAと細胞質に局在予測されている交配型特異的な遺伝子matAが同定されているが、それらの詳細な機能は不明である。本研究では、これらの2遺伝子を手掛かりとして細胞性粘菌有性生殖過程における細胞間相互作用の分子メカニズム解明を目的として研究を行った。macAがコードするタンパク質(MacA)は2041アミノ酸からなり、細胞接着に関わるドメインをもつ膜タンパク質であると予想されているが、高分子量であること、利用可能な抗体が得られなかったこと等により、タンパク質としての検出が難航していた。しかし、名古屋大学グループとの領域内共同研究によるプロテオーム解析が進展し、アミノ酸配列から想定される230kDaより高分子領域に検出することができた。興味深いことに、type-II株のMacAは、アミノ酸配列が完全に一致しているにもかかわらず転写・翻訳ともに著しく低下していることがわかった。これらの結果をまとめて論文発表した。また、植物での受精に必須の分子GCS1/HAP2のD.discoideumにおける相同分子2種(hapA及びmrhA)(mrhはMotif-Related to Hap2の略で、HAP2への相同性は低い。)の遺伝子破壊株を作製し、それらが配偶子間相互作用に必須であることも見いだした。さらに、交配型決定遺伝子matAの破壊株が細胞融合不能であることも確認した。
All 2012 2011 2010
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (7 results)
Eukaryot. Cell
Volume: 11 Issue: 5 Pages: 638-644
10.1128/ec.00028-12
Dev Growth Differ
Volume: 53 Pages: 451-451
10028273576