Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究は、アオサ藻綱のヒラアオノリを用いて、配偶子に大小の雌雄差が生じる以前にすでにあるアロ(同種異個体)認証の機構を明らかにすることを目標にしている。1.雌雄と連鎖する性的二形性の解析:長崎大学グループ(桑野ら)、筑波大グループ(宮村ら)と協同して、確立したヒラアオノリの培養系統を冷凍して管理保存し輸送する方法を検討している。2.免疫サブトラクション法による性的二形性に関わる遺伝子の単離:雌雄の大小は接合装置の雌雄での非対称的な配置の延長線上にある性的二形成であることを明らかにしつつある。ヒラアオノリでは配偶子の異形化はわずかであるが、「免疫サブトラクション法」で配偶子の細胞表層に接合装置の性的二形性を検出している。1)抗雌(♀)抗血清と抗雄(♂)抗血清を調整して、雌(♀)では200kDa、雄(♂)では40kDaの特異抗原を見いだすことができた。また、雄(♂)に特異的な60kDaと40kDaのバンドも検出した。2)抗雌(♀)抗血清と抗雄(♂)抗血清を用いて蛍光抗体染色をおこない、雌雄に特異的な細胞構造の発見に務めている。接合装置だけでなく雌雄の膜が融合する領域の染色にも成功した。3)雌雄配偶子で67~69万リード規模のESTを構築した。また、雌雄配偶子で77~95万リード数程度ではあるが全ゲノム解析を行った。さらに、共同研究で、雌雄配偶子の細胞膜分画をマスを利用してプロテオーム解析した。いずれも限られた規模なので、3つのデータをそれぞれ補完することで、雌雄特異的な遺伝子群の同定を可能にし、ESTと全ゲノム解析で見つかった雌雄特異的なコンティグ、雌(♀)10と雄(♂)2を仮想的な性決定領域(性染色体)とした。
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http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/pls/index.html