変性タンパク質の動的多様構造の新規解析法の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Target recognition and expression mechanism of intrinsically disordered protein |
Project/Area Number |
22113501
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鎌形 清人 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (90432492)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥11,310,000 (Direct Cost: ¥8,700,000、Indirect Cost: ¥2,610,000)
Fiscal Year 2011: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
Fiscal Year 2010: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
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Keywords | 天然変性タンパク質 / チトクロムc / 一分子蛍光観察 / p53 / 原子間力顕微鏡 / 走査型トンネル顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究は、一分子レベルで変性タンパク質の主鎖の形とダイナミクスを観測する手法の開発を通して、変性タンパク質の動的な構造多様性を明らかにすることを目的とした。昨年度に引き続き、鎌形らが開発した一分子蛍光装置を用いて、変性剤で変性させたチトクロムcの構造とダイナミクスの観測を行った。3つの変性剤濃度条件で蛍光色素Atto532を修飾したチトクロムcの一分子計測を行った結果、少なくとも3つの状態が存在し、観測頻度の多い2つの状態が顕著に変性剤濃度依存性を示した。そのうち、蛍光強度の弱い状態は変性剤の増加ともに観測頻度が減ることから、特定の部分構造を持つと推測された。一方、蛍光強度が強い状態は、変性剤の増加とともに観測頻度が増えることから、ほどけた構造を持つと考えられた。次に、蛍光強度の消光を引き起こす因子を特定するために、ヘムを除去した変異体で一分子測定を行った。その結果、ヘムだけでなく、トリプトファンなどのアミノ酸によっても、消光が起こることが明らかになった。以上から、変性チトクロムcは、少なくとも3つの状態に分類され、その構造的な特徴を明らかにすることに成功した。次に、原子間力顕微鏡と走査型トンネル顕微鏡を用いて、がん抑制因子であるp53の一分子構造解析を行った。原子間力顕微鏡に用いて、金基板上に固定したp53分子の画像データを取得し、解析を行ったところ、様々な会合体が観測された。生理的な条件下で存在する4量体に着目したところ、多様な構造をとることが明らかになった。今後、様々な条件下でデータを取得することで、p53の機能の解明への展開が期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(43 results)