UHRF1タンパク質のリン酸化制御による構造機能変換機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Target recognition and expression mechanism of intrinsically disordered protein |
Project/Area Number |
22113511
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
有田 恭平 京都大学, 工学研究科, 助教 (40549648)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥11,570,000 (Direct Cost: ¥8,900,000、Indirect Cost: ¥2,670,000)
Fiscal Year 2011: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
Fiscal Year 2010: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
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Keywords | 天然変性 / エピジェネティクス / 構造生物学 / リン酸化 / UHRF1タンパク質 / 天然変性タンパク質 / DNAメチル化 / ヒストン修飾 / UHRF1 |
Research Abstract |
ヒトなどの高等真核生物のDNAは高度に凝縮したクロマチン構造を取る。クロマチン構造の基本単位構造であるヌクレオソームはヒストンタンパク質とDNAから成る。DNAやヒストンタンパク質は様々な翻訳後修飾を受けエピジェネティクスな現象の主要な因子である。エピジェネティクスは真核生物の発生や細胞分化、遺伝子発現の制御に極めて重要な働きをしている。エピジェネティクスの破たんは発癌や生活習慣病などの発症と関与していることから、エピジェネティクスを制御する因子の機能-構造解析は根本的な生命現象の解明のみならず、医薬・創薬への貢献へとつながる。本研究の対象であるUHRF1タンパク質はピストン修飾の読み取りに関与するTudor-PHD domainと片鎖メチル化DNAの認識に関与するSRA domainを連続して有しており、2種類のエピジェネティクスな情報の読み取りに関与している。UHRF1の各ドメイン間のリンカー領域は夫然変性領域であることが予測されている。これまでの申請者の研究によって、UHRF1の天然変性領域がピストン修飾の認識、および片鎖メチル化DNAの認識に重要な役割をしていることを明らかにしている。 天然変性領域に存在するSer 298のリン酸化が、局所的にTudordomainとPHD finger間の配向を制御し、ヒストンH3との特異的な結合能が消失することを等温滴定カロリーメトリーとNMR解析によって明らかにした。さらに、Tudor-PHD-SRAのヒストンおよびDNA結合の二つの機能を有する領域においてSer 298のリン酸化の影響を調べたところ、ヒストンへの結合のみならずDNAへの結合能が著しく低下していることを生化学的な研究から明らかにした。さらに、UHRF1に存在する他の天然変性領域についても機能解析を進めており、他のタンパク質因子との相互作用に関与するという予備的なデータを得ている。申請者のデータから立体構造をもった機能ドメインに加えて、天然変性領域であるドメイン間のリンカー領域がUHRF1の機能や他のタンパク質との相互作用を制御するのに非常に重要な役割をしていることが明らかになった。今後はUHRF1の天然変性領域に焦点を当て、その構造と機能、および機能ドメインとの構造的、機能的な相関を明らかにしていく。またUHRF1の複数の天然変性領域がどのように協調的に働き、エピジェネティクスな機構を制御しているのかどうかを今後明らかにしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究ではUHRF1タンパク質のTudor-PHD domain間の天然変性領域と考えられるlinkerがヒストンH3との特異的な結合に重要な働きをしていることを明らかにし、さらにリン酸化修飾を受けることによりヒストンH3との結合が弱くなることを解明した。これらの研究成果は国際シンポジウムや国内の学会で口頭発表した。また、UHRF1の他の天然変性領域の機能解析も進め、今後の研究の進展が期待できる大きな予備的な知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
UHRF1は5つのドメイン構造から成り、その間のlinkerは天然変性領域である。これらの複数の天然変性領域がどのように協調的に働いているかを今後明らかにしていく必要がある。X線結晶構造解析による静的な挙動の解明のみならず、NMRを用いたダイナミクスの解析や、X線小角散乱を用いた天然変性領域と機能ドメインを含むタンパク質全体の構造やダイナミクスの解析を行うことにより、UHRF1の天然変性領域の機能と構造の相関が今後明らかにできると考える。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Crystal structure of the UBA domain of p62 and its interaction with ubiquitin2011
Author(s)
Isogai, S., Morimoto, D., Arita, K., Unzai, S., Tenno, T., Hasegawa, J., Sou, Y.S., Komatsu, M., Tanaka, K., Shirakawa, M., Tochio, H.
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Journal Title
J Biol Chem.
Volume: 286
Issue: 36
Pages: 31864-318674
DOI
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Peer Reviewed
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