Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
細胞内、特に小胞体で合成されるタンパク質には、一定の割合で異常なもの、変性したものが含まれる。このような異常タンパク質を感知するセンサーとして、これまでにIRE1という小胞体膜タンパク質が同定されており、また、IRE1は近年新たな機能ドメインとして注目される「天然」変性領域を含むことが知られている。本研究では、IRE1による異常タンパク質感知の分子機構に着目し、異常タンパク質感知における天然変性領域の機能解明を進めている。哺乳動物においては、2つのIRE1パラログ、IRE1αとIRE1βが存在する。以前我々は、哺乳動物IRE1αは異常タンパク質とは直接結合せず、その異常タンパク質感知はBipの解離に伴うホモ会合の段階に強く依存することを明らかにしていたが、同様のメカニズムがIRE1βにも当てはまるかどうかは不明であった。昨年度我々は、IRE1の分子動態を明らかにするために、living cellを用いた拡散速度解析を行った。結果、IRE1αと異なり、IRE1βは、ストレス依存的により安定で巨大な複合体を形成すること、さらにモデル異常タンパク質とin vivo、in vitroの両実験で直接相互作用することを明らかにした。本年度はこれらの結果の論文発表に向けて、さらに実験系を精密にし再試、及び追加実験を行った。結果、これら上述の現象が再現されただけではなく、加えて、IRE1αが異常タンパク質の発生時に、従来の想像とは異なる特殊な挙動を示すことも明らかになった。これらの結果は、天然変性タンパク質であるIRE1が、異常タンパク質の発生に際してセンサー分子として機能するための特殊な分子機構の存在を示唆しており、非常にインパクトの高い内容である。今後の詳細な解析が急務であると考えている。
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Scientific Reports
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Volume: (in press)
http://asrldu.dept.med.gunma-u.ac.jp/tiwawaki/takao_iwawaki.html
http://www.gunma-u.ac.jp/sb/sb.cgi?eid=335