Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
ヒストン修飾酵素は、細胞の中の遺伝子のはたらきを調節するために中心的な役割を担っています。発生初期の1細胞レベルでのゲノム構造の違いについては、少ない細胞でゲノム構造を解析する方法が限られており、これまでよく分かっていませんでした。本研究では、申請者が開発してきた蛍光標識ヒストンペプチド(FRETプローブ)を応用し、細胞内のヒストン修飾酵素の活性をイメージングすることによって、細胞単位でゲノム構造動態を可視化する方法を検討しました。本年度は初期胚を用い、FRETプローブによるヒストン脱メチル化酵素活性の検出を中心に条件検討を行い、組織でも細胞内のヒストン修飾酵素活性を可視化することが出来ることを始めて示しました。また、in vivoイメージング(共焦点顕微鏡)の結果を踏まえ、バックグラウンドの問題に対処するために新たにイメージングに適した蛍光標識メチル化ペプチドを合成しました。また、リジン修飾のセンサーであるエンドペプチダーゼについて、コドン最適化を行ったリコンビナント蛋白質発現ベクターを用いてS1ポケットの新たな変異体を合成し、その中からリジンメチル化に特異性の高い(即ちバックグラウンドの低い)酵素を同定しました。微量測定が可能な蛍光分光光度計(NanoDrop)を用いることにより、再現性の高い酵素活性の測定が可能になっています。一方、ヒストンメチル基転移酵素ASH1の標的遺伝子の探索から、発生初期の左右軸形成に関わるPitx2遺伝子の発現を制御する可能性のある転写因子がASH1の直接標的となっていることを明らかにしました。このように、初期発生を制御する転写因子が、ヒストン修飾によってどのように時間的空間的に制御されているかを明らかにすることにより、細胞不均一性の基盤にあるゲノム構造の役割についての理解が、今後一層進むことが期待されます。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Cell
Volume: 49(4) Issue: 4 Pages: 819-831
10.1016/j.cell.2012.03.035
PLoS One
Volume: 6(11) Issue: 11 Pages: e28171-e28171
10.1371/journal.pone.0028171
Bioorg Med Chem
Volume: 18 Pages: 8158-8166