マウス胚性致死変異体より同定されたVps52のシグナル関連遺伝子としての役割
Publicly Offered Research
Project Area | Cell Community in early mammalian development |
Project/Area Number |
22116512
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
杉本 道彦 独立行政法人理化学研究所, 動物変異動態解析技術開発チーム, 開発研究員 (10373317)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥14,950,000 (Direct Cost: ¥11,500,000、Indirect Cost: ¥3,450,000)
Fiscal Year 2011: ¥7,280,000 (Direct Cost: ¥5,600,000、Indirect Cost: ¥1,680,000)
Fiscal Year 2010: ¥7,670,000 (Direct Cost: ¥5,900,000、Indirect Cost: ¥1,770,000)
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Keywords | 哺乳類初期発生 / 劣性致死変異 / マウス / ES細胞 / 哺乳類 / 初期発生 / retrograde transport / 細胞間相互作用 |
Research Abstract |
哺乳類初期発生は細胞間相互作用を介して柔軟、かつ厳密に統御されて進行する。これまでにこの細胞間相互作用に関わる多くの分子が同定されて来たが、どのような仕組みにより細胞間での情報分子の受け渡しが行われ、またシグナル分子の消長がなされているのかは分かっていない。本研究は細胞間相互作用に異常をきたすことで初期胚致死なる変異体マウスより同定されたVps52が、哺乳類初期発生過程における細胞間相互作用にどのように関わっているのかを明らかにすることを目的としている。変異体ES細胞を用いたキメラ胚様体形成実験により、本来正常に分化することが出来ず多能性を喪失してしまっているVps52欠損ES細胞が、機能的Vps52を発現するES細胞と共存することにより多能性を回復し多種多様な細胞へ分化できるようになることがわかった。哺乳類初期発生過程において多能性を保持する胚体組織の細胞は、それらを取り囲む近位内胚葉からの分化誘導シグナルを受けることで分化を進行させる。Vps52欠損胚ES細胞からは近位内胚葉は生じるが、この分化誘導シグナルを伝達する機能に欠陥が生じていることを示唆する結果が得られた。これらの結果から、Vps52は多能性細胞が分化する際に必須である細胞間相互作用に関わる重要な因子であることを明らかにすることができた。VPS52は細胞内でのタンパク質輸送経路に関わる因子であると考えられており、ES細胞やiPS細胞などにおける多能性分化制御機構を解明する上で、新たな側面からの研究に向けての重要な成果と考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)