非感染性慢性炎症を招く糖脂質とリガンド分子の相互反応機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Homeostatic inflammation: Molecular basis and dysregulation |
Project/Area Number |
22117511
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
古川 鋼一 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80211530)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥9,360,000 (Direct Cost: ¥7,200,000、Indirect Cost: ¥2,160,000)
Fiscal Year 2011: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2010: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | グロボトリアオシルセラミド / 糖脂質 / 血管内皮 / CD77 / ミクログリア / LPS / リソソーム / ガングリオシド / perilipin |
Research Abstract |
非感染性慢性炎症が惹起される異常表現型を示した、2種の糖脂質糖鎖合成酵素遺伝子ノックアウト(KO)の炎症メカニズムの解析をさらに進展させた。 第一に、GM3以外のガングリオシドをすべて欠損する、複合型KO(GM2/GD2合成酵素およびGD3合成酵素のダブルKO)における神経変性のメカニズムを明らかにするために、DNAミクロアレイの結果、DKOマウスで発現が亢進する遺伝子25種の中で、とくにWisp2/CCN5およびPerilipin4という2遺伝子に関して解析を進めた。Wisp2/CCN5脊髄ニューロンに発現した。Neuro2a細胞における過剰発現によって、神経突起伸長作用と抗アポトーシス作用が認められたことより、ガングリオシド欠損が招く神経変性を防止するために発現上昇するものと考えられた。Perilipinははミクログリアに発現し、細胞内の局在に関して種々の検討を行った結果、ミクログリアではリソソームに発現することが判明した。アポトーシスを起こしたニューロンの貧食後の消化を促進するために発現が亢進するものと考えられた。 第二に、グロボ系糖脂質を欠損するGb3/CD77合成酵素遺伝子のKOマウスが、LPSの細胞毒性に対する感受性の亢進が認められたことから、LPSの受容体であるTLR4/MD2複合体にグロボ系糖脂質がLPSと競合して結合して、そのシグナルを抑制すると考えられた。血管内皮がその標的と考えて、初代培養系を確立し、グロボ系糖脂質の発現を検討したところ、Gb4の発現が認められ、LPS刺激にて発現が亢進した。糖脂質とLPS受容体との結合を、ラジオアイソトープ標識Gb4とリコンビナントMD2との共沈実験とその阻害実験により解析した。また、native PAGEにより、Gb4がTLR4/MD2に結合することを示した。さらにTLR4/MD2の結晶構造を用いたGb4の結合モデル実験を行い、特異的な結合を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
GM3以外のガングリオシドをすべて欠損するダブルKOの脳において過剰発現する2遺伝子の発現機構が概ね明らかになり、論文作製の直前にあること。グロボ系糖脂質とLPS受容体であるTLR4/MD2の結合が、生化学的に明らかに証明でき、さらにグロボ系糖脂質Gb4とTLR4/MD2との複合体のドッキングモデルにおいて、糖脂質と受容体タンパク質との結合が明らかになりつつあることが理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究資金が得られれば、ガングリオシド欠損脳組織における炎症、変性の直接のメカニズムを明らかにしたい。そのために、とくに炎症の主役である、アストログリア、ミクログリアの分別的な役割を明らかにしたい。一方、Gb4とTLR4/MD2複合体との結合に関しては、東大医学部の大戸博士との共同研究により、結晶化を試み、糖脂質と受容体との結合の詳細なメカニズムを分子構造的に明らかにしたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)
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[Journal Article] GM1/GD1b/GA1 synthase expression results in the reduced cancer phenotypes with modulation of composition and raft-localization of gangliosides in a melanoma cell line.2010
Author(s)
Dong, Y., Ikeda, K., Hamamura, K., Zhang, Q., Kondo, Y., Matsumoto, Y., Ohmi, Y., Furukawa, K., et al.
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Journal Title
Cancer Sci
Volume: 101
Pages: 2039-2047
NAID
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Peer Reviewed
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[Presentation] Biological significance of glycolipids in mouse iPS cells2010
Author(s)
Hamamura, K., Hotta, H., Yamamori, K., Shibuya, H., Kondo, Y., Furukawa, K.
Organizer
第33回日本分子生物学会年会/第83回日本生化学会大会合同大会
Place of Presentation
神戸
Year and Date
2010-12-09
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