多様なダイナミクスを学び、理解し、生み出すための学習理論
Publicly Offered Research
Project Area | The study on the neural dynamics for understanding communication in terms of complex hetero systems |
Project/Area Number |
22120510
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Complex systems
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
古川 徹生 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 教授 (50219101)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2011: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2010: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | ニューラルネット / 自己組織化 / ダイナミクス / テンソル / 機械学習 / ダイナミクス学習 / 自己組織化写像 / 高階化情報処理 |
Research Abstract |
本研究は,(1)多数のダイナミクスを学習し,(2)ダイナミクス間の類似性・相違性を元にダイナミクス集合のクラスタリング,量子化,補間化を行い,(3)さらにダイナミクス間の類似性から高次表現を獲得する学習理論の確立とアルゴリズム開発を目的とする.近年,ダイナミクスを介した環境-ロボット,ヒト-ロボット間のインタラクションの研究が行われている.このような課題に際して必要になるのが,多数の異なるダイナミクスを学習し,分類・整理・汎化するアルゴリズムである.先行研究ではニューラルネットワークを用いることが多かったが,古典的ニューラルネットワークによるマルチダイナミクス学習は,実は原理的に見てうまく動作しない.なぜならば異なるダイナミクス間で記憶の混乱や干渉が起きるからであり,ヘテロなダイナミクスになるほど困難さは増す.したがって記憶の混乱がなく,安定かつ高速なマルチダイナミクス学習アルゴリズムの開発は,本領域「伝達創成機構」において重要な役割を果たす. 本研究により,マルチダイナミクス学習には適切なモデルパラメタ空間とモデル間測度を定義することが大事であること,また定義した空間の上で学習アルゴリズムを導出することが必要であることが見出され,それは非線形テンソル分解の問題に帰着されることがわかった.さらに高階自己組織化マップを用いて非線形テンソル分解が解けることを示した.また自己組織化マップの正準理論の確立にも取り組み,マルチダイナミクス学習の理論的基盤も解明してきた.本成果は工学的に有用であるのみならず,脳の持つダイナミクス学習機能を理解する上でも役に立つものと考える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画と比べ,いくかの点で予想以上の成果が上がった.第一は本テーマが非線形テンソル分解の問題に帰着できるということが示せたことであり,数学的な問題の定式化ができたこと,第二は基盤となる位相保存写像の理論確立が進展し,統一的な枠組みが作れたことである.さらに形式ニューロンによる実装,自己言及や自己認識といった脳や知能とのかかわりも見えて来ており,想定以上の収穫があったと考える.他方,当初の計画のうち,情報幾何との接点を明らかにすることはできなかった.しかしこれは理論確立の方針修正により生じたものであり,理論化自体には成功したので,遅れではないと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画以上の進展を見せた一方で,残された最大の課題はそれらをまとめ,論文として発表するプロセスが残されている点である.何本かの関連論文は書けたものの,主題となる論文はこれからである.もとより挑戦的なテーマであるだけに2年という期間内であったため,メインの研究テーマの論文執筆はこれから行うことになる.また新たな進展を見せた形式ニューロン実装や自己認識の自己組織化などは,今後さらに発展させる計画である.
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Report
(2 results)
Research Products
(22 results)