Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究は、モンゴル~キルギス~カザフスタンの草原世界に暮らす遊牧民の伝統知の継承と実践が、草原適応、災害対処、コミュニティ持続性などに果たした役割から、人類史上の生存戦略の意義を探求する。前回公募研究の進展により、「草原の伝統知」の継承性と非文字的記録のドキュメンテーションが、遊牧コミュニティの解明のみならず、人類初現の生存戦略とレジリエンス機能を紐解き、出ユーラシア研究に新たな視座を提供できるとの確信を得た。本課題は、「出ユーラシア研究」の要請する「文明形成」のエビデンスに、個別具体の民族誌の提示によって貢献する。「草原の伝統知」の継承・実践の意義から、人類の生存戦略を学知融合で探求する。
本研究は、モンゴル~キルギス~カザフスタンのシルクロード草原に暮らす遊牧社会において、伝統知―「草原の掟」―の継承と実践が、コミュニティの持続性/レジリエンスと人類のニッチ構築に果たした役割を解明する。2023年度(R5年度)は、キルギス共和国およびタジキスタンで2回のフィールド調査を実施した。両国で、狩猟や環境共生観に関するオーラルヒストリー調査を実施して、動物民俗・フォークロア・女性誌などについて、飛躍的な進展があった。また、タジキスタン国内のキルギス系牧畜民と、モンゴル系民族のハザーラ人、ラカイ人などのコミュニティに訪問し、モンゴル文化との淵源やつながりについても調査を実施した。23年度第1回フィールド調査[2023年5月15日~5月29日]では、キルギスのナリン州スルト夏牧場および、イシククル湖南岸ボコンバエヴァで、昨年に引き続き牧夫・長老級人物・狩猟者などを訪問して半構造化アンケートと、エスノグラフィック・インタビューを実施した。23年度第2回フィールド調査[2023年5月30日~6月20日]では、タジキスタンのパミール山脈タヴィルダラ村とダルボーズ村を訪問した。同地では、タジク社会に特有の自然や動物への畏れのフォークロアが多数収集された。また、イスラーム世界と高度に調和した、精霊・妖怪・悪魔にまつわる怪奇譚が聞かれ、特に地域の女性の精神的・身体的不調の原因として強い信仰が見られた。また、家庭内・コミュニティ内の禁忌が諺・格言・掟としてきわめて強く信じられていた。調査では38名の女性たちから、324件の箴言・格言などを収集した。人間行動を統制する「メタ・エスノグラフィ」としての意味が見いだされる。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Int'l Joint Research (7 results) Journal Article (4 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Open Access: 2 results, Peer Reviewed: 1 results) Presentation (12 results) (of which Int'l Joint Research: 6 results, Invited: 7 results)
月刊みんぱく2023年7月号(特集「ハンターと文明」)
Volume: 47巻7号 Pages: 6-7
The Asian Conference on Asian Studies 2023: Official Conference Proceedings
Volume: - Pages: 1-11
E-journal GEO
Volume: 18 Issue: 1 Pages: 54-70
10.4157/ejgeo.18.54
ビオストーリー
Volume: 37 Pages: 66-68