Direct observation of polarization rotation at ferroelectric domain boundary using nano-scale charge density analysis
Publicly Offered Research
Project Area | New Materials Science on Nanoscale Structures and Functions of Crystal Defect Cores |
Project/Area Number |
22H04495
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森川 大輔 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (10632416)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 収束電子回折 / 強誘電ドメイン壁 / 分極回転 / 電荷密度分布 / ナノ電子プローブ / 局所構造解析 / 電荷密度分布解析 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,機能コアのうち特に強誘電体の分極ドメイン壁における分極回転を,電子密度分布から初めて直接的に観測することを目指す.分極ドメイン壁は強誘電体の誘電特性を支配する機能コアである.ドメイン壁の電場応答の違いはその内部構造に起因するものの,これまでに分極回転の詳細を直接観測した例はない.この分極回転をナノメータスケールで直接観測する手法の確立は,強誘電体デバイスの高性能化,そして新たなデバイス作成に大きく寄与することができる.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、機能コアのうち特に強誘電体デバイスの動作を支配している分極ドメイン壁に焦点を当て、ナノ電子プローブを用いた局所構造解析から、分極回転の電子密度分布解析による直接観測を目指している。 観察ターゲットとして、汎用強誘電体であるBaTiO3を選んだ。しかしノンドープのBaTiO3は電子線照射により容易にドメイン壁が動いてしまうために、微細構造解析には適さない。そこで様々な遷移金属元素を微量ドープした試料を用いて、最適な試料を探索した。結果として、電子線照射に耐えうる90度の分極ドメイン壁を見出し、詳細なデータ取得に成功した。特に分極ドメイン壁直上で撮影されたパターンは、分極の回転方向に依存した強度分布を示した。これは分極回転を電子回折図形の強度分布として直接観察した初めての例である。またこの強度変化から、分極ドメイン壁は約5 nmと推測された。一方、ドメイン壁近傍において、バルクの強度分布からの差異を検出し、その領域が先行理論研究とおおむね合致することが分かった。 分極ドメイン壁を含んだ超構造の解析のために、研究グループで開発している多重散乱計算コードMBFITを改良し、電子プローブ位置を変化させた回折図形のシミュレーションに成功し、実験の強度分布の傾向を再現することに成功した。今後、原子位置や結晶構造因子などのパラメータ精密化による分極回転領域における電子密度分布解析を試みる。 また、領域内における共同研究を進めており、分極ドメイン境界を含んだ超構造の電子密度分布計算とそれを用いた実験データ解析へのフィードバックの導入を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、90度の分極ドメイン壁における詳細なデータ取得に成功している。また、多重散乱を考慮したシミュレーションによる実験データの再現も実現し、電子密度分布解析の実現に向けて進展している。一方で、計画時においてはマルチスライス法による解析を検討していたものの、逆空間の精度の良い解析には不向きであることが分かり、ブロッホ法による解析ソフトウェアの改良により解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
より高精度な実験データ取得のために、試料ドリフトや試料汚染の低減に向けた改良を継続する。また、実験と計算による強度の定量比較による、原子位置や結晶構造因子などのパラメータ精密化の実現を目指す。すでに現行において原理的には解析可能な状況であるが、パラメータ数が多大であるために解析は非現実的である。ここでいかに物理的根拠をもってパラメータ数を低減させるかが課題である。また、従来の手法においては各パラメータ間の相関や、非線形最小二乗法での局所解への拘束が問題となっており、今後ベイズ推定のルーチンの導入を行い、解の導出を目指す。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)