Theoretical analysis of dislocation-core structure and its dynamics in semiconductors
Publicly Offered Research
Project Area | New Materials Science on Nanoscale Structures and Functions of Crystal Defect Cores |
Project/Area Number |
22H04508
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
横井 達矢 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (70791581)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 半導体転位 / 機械学習型原子間ポテンシャル / 第一原理計算 / 半導体 / 転位 / 機械学習 / 原子間ポテンシャル |
Outline of Research at the Start |
本研究では、半導体材料における転位コア構造およびキンク構造を明らかにし、転位がドナー・アクセプタおよびキャリアと相互作用する場合の転位ダイナミクスを解明する。この目的を達成するため、第一原理計算データを学習させた人工ニューラルネットワーク原子間ポテンシャルを構築し、反応経路法や分子動力学計算に組み込むことで、高精度・高速計算な分子シミュレーション法を確立する。この手法を代表的な半導体材料に適用することで、転位の原子構造とダイナミクスに関して原子・電子レベルの知見を得る。それをもとに転位ダイナミクスを制御するための材料設計指針を提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、半導体においてドナー・アクセプタおよび電子・ホールが転位およびキンクの原子構造と運動挙動に及ぼす影響を原子・電子レベルで解明することを目的としている。 まずSiおよびGeを対象として、第一原理計算データを学習させた人工ニューラルネットワーク(ANN)原子間ポテンシャルを構築した。学習データには、完全結晶だけでなく点欠陥や積層欠陥も含めることで、多様な原子環境を考慮した。学習アルゴリズムについて、当初の計画では、統計サンプリングから分散共分散行列を評価し最適な重み・バイアスを推定するアンサンブルカルマンフィルタの実装を検討していた。しかし、アルゴリズムの検証の結果、各学習ステップにおける計算コストが莫大であることが判明した。したがって、非線形関数を線形近似する拡張カルマンフィルタをベースとした学習アルゴリズムを実装した。その後、学習させたANNポテンシャルを格子欠陥に適用し、第一原理計算と比較した。その結果、従来の経験的原子間ポテンシャルを上回る精度で、格子欠陥の原子構造や形成エネルギーを予測できることが示された。 そして、ANNポテンシャルをNudged elastic band(NEB)法に組み込んだ。NEB法では、原子にかかる力をNEB法の各イメージに対して平行方向と垂直方向に分解し、特定方向に構造緩和を行うアルゴリズムを実装した。さらに、NEB法の収束性を高めるため、Henkelmanにより提案された、接線方向の力成分を修正するアルゴリズムを実装した。その後、Si中の空孔拡散に伴うエネルギー障壁を評価し、プログラムが正しく動作することを確認した。これにより、転位やキンクの原子構造および運動に伴うエネルギー障壁を評価するための技術基盤が整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度の計画として、(1)半導体転位に適用できる高精度・高速なANN原子間ポテンシャルの構築と(2)NEB法への統合を挙げていた。アンサンブルカルマンフィルタの適用が困難といった想定外の事象はあったものの、上記2つの目的は達成できている。また2023年度に構築予定であるドナー・アクセプタを想定したn型・p型SiまたはGeの学習データの収集も円滑に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
学習後のANN原子間ポテンシャルを使い、Siの転位コア構造とキンク構造を決定する。またANNから得られた構造を用いてDFT計算を行い、転位コアおよびキンクおける欠陥準位のエネルギー準位や局所的な電子分布が、純粋Si、P添加Si、B添加Siの間で異なるか調べる。さらに転位とドナー・アクセプタとの距離を変化させて同様の解析を行い、転位コア構造およびキンク構造と電子状態の変化を調べる。 次に、得られた転位コア構造をもとに,ANNポテンシャルによるNEB法を実行する.まず純粋Si,P添加Si,B添加Siを対象に,転位運動に伴うパイエルス応力とキンク形成のエネルギー障壁を評価する.そしてそれらの値が,ドナー・アクセプタの有無や濃度,転位との距離によって,どのように変化するか解析する.またNEB法から得られる中間状態の転位コア構造をもとに,DFT計算を用いて電子状態解析を行う.この解析により,ドナー・アクセプタから供給される電子・ホールが,転位運動時の転位コアやキンクに対してどの程度局在するか調べる.また転位およびキンクによる欠陥準位の有無を調べる. またSiGeを対象として,上記と同様の解析を行う。 SiGeでは,SiとGeの分布が転位コア構造に影響する可能性があるので,SiおよびGeをランダムに分布させた計算セルを複数個作製する.それら全ての計算セルに対して,ANN原子間ポテンシャルによる構造緩和計算を実行して,その中からエネルギー的に最安定な転位コア構造およびキンク構造を求める.そして得られた構造を用いて,DFT計算により電子状態解析を行い,転位コアおよびキンクによる欠陥準位の有無とそのエネルギー準位を調べる.またそれぞれの系で,NEB法によりパイエルス応力とキンク形成のエネルギー障壁を求め,ドナー・アクセプタの有無と空間的な分布がどの程度影響するか調べる.
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)