Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本申請研究では,側鎖にカルボン酸を有するポリ置換メチレンと固体状態の氷の相互作用に着目し,高分子鎖の主鎖の運動性が高分子表面での分子鎖と氷の水分子との相互作用を理解し,氷接着との相関を明らかにしていく。氷と高分子の分子的な相互作用について,高分子の側鎖のカルボン酸を利用し,高分子材料と水の相互作用の調和と制御から凝集状態を最適化することで,高分子表面の疎氷性制御だけでなく,基礎的な分子レベルでの挙動を解明する。
側鎖にカルボン酸を有するポリ置換メチレンと水分子との相互御作用の詳細な評価やそのポリイオンコンプレックスの評価を進めた。具体的には,ポリ置換メチレンの側鎖を酸条件下で加水分解し,側鎖にカルボン酸を導入した。その高分子に対し,水分子との相互御作用評価として,示差走査熱量測定による相互作用している水分子の評価を行った。結果を,類似の側鎖を持つ汎用性の高いポリアクリル酸と比較することで,ポリ置換メチレンではより多くの不凍水が存在することを見出した。さらにポリ置換メチレンの側鎖を酸条件下で加水分解の後に,ポリアミンと混合することで,ポリ置換メチレンをイオンコンプレックス化した。このイオンコンプレックスでは,高い凝集力から水存在下でも高い接着性を保持することが明らかになった。さらに,このポリ置換メチレンのイオンコンプレックスは,強いイオン相互作用を示すため,ポリアクリル酸のイオンコンプレックスと比較して,水分子との相互作用が阻害されることを見出した。さらに,相互作用している水の凍結時のラマン分光スペクトル評価からも示差走査熱量測定の結果とよく一致する結果が得られた。また,領域内の共同研究として,側鎖親水基を利用した吸湿特性を大型量子ビーム施設であるJ-PRACにて中性子反射率測定により構造評価や吸湿水の分布評価にも取り組み,その挙動を解明した。さらに高分子と氷の界面構造の評価にも取り組んだ。さらに,本年度において,本研究成果を国際学術誌2報,国際学術会議にて3件,国内学術会議にて9件,そして1件の招待講演において報告している。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (16 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Invited: 2 results) Remarks (3 results)
ACS Applied Polymer Materials
Volume: 5 Issue: 10 Pages: 8349-8358
10.1021/acsapm.3c01503
Polym. J.
Volume: 55 Issue: 12 Pages: 1287-1293
10.1038/s41428-023-00832-2
波紋
Volume: 32 Pages: 169-172
http://www2.kobe-u.ac.jp/~tnishino/cx4.html
https://orcid.org/0000-0002-7258-5891