Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
「物質優勢宇宙の謎」を解くためには、48Caの二重ベータ崩壊の観測が有望とされている。このCa同位体の自然存在比は非常に低いため、波長422.7 nmの青色単一波長高出力レーザーを用いてレーザー濃縮を行う必要がある。市販の製品やその組み合わせでは要求仕様を満たす光源は実現できないため、本研究では単一波長レーザーとテーパ型光増幅器をモノリシック集積した小型・高効率なInGaN単一波長高出力光源を開発することを目的とする。
InGaN量子井戸エピタキシャル構造を用いた青色単一波長半導体レーザについては、リッジ構造に周期的に溝を形成した周期スロットレーザと、リッジ構造の両側にDFBグレーティングを形成したLaterally Coupled DFBレーザを作製した。前者は活性領域に電流注入しながら周期スロット領域への注入電流を変化させることで、0.55 nmの波長可変範囲にわたってサイドモード抑圧比26 dB以上の単一モード発振が得られ、青色領域で初めて波長可変単一モードレーザの実現に成功した。後者からは出力光パワー300 mW以上の単一モード発振が得られ、波長可変特性はないものの目標波長の近く(波長差1 nm以下)で発振するレーザが作製できることがわかった。またテーパ型半導体光増幅器については、大電流の注入が可能なp側電極の作製プロセスを確立し、電極長および出射端幅の異なる種々の電極形状のデバイスを作製した。3 Aまでの電流注入が可能になったものの、位置合わせ精度不足でレーザ光をデバイス導波路に効率よく結合させることができず、良好な光増幅特性は得られなかった。高精度の位置合わせが可能なピエゾステージを用いることで、問題を解決する。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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