Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
各種シンチレーターの原料および放射線検出器の原料を純化する。始めに実績のある水溶性原料の純化に取り組み、同時に非水溶性の材料を純化する方法について検討する。純化した原料をもとにして放射線検出器を製造し、バックグラウンド測定によって放射性不純物の量を測定する。水溶性原料については、これまでの実績からアルファ線放出各種について数μBq/kg 程度を目標とする。非水溶性原料についても、同様の純度を目指して純化方法及び原料の合成手順の確認を行なう。代表者らの純化方法を適用することによって宇宙暗黒物質探索に用いるターゲット核を拡張することが可能になる。
前年度において、フッ化カルシウム結晶の純化を行う際に原料および結晶に含まれるウランおよびトリウムの濃度を明確に測定できることが重要であることを確認した。測定にはICP-MSを用いることとし、サンプルを硝酸によって溶かした後樹脂によってウランおよびトリウムを分離して測定した。その結果、トリウムの測定結果は不安定であり、バックグラウンドと区別が付かない状況であったため、トリウムの回収率を測定して条件を調査した。その結果、サンプルの液性および流速について最適値となる条件が見つかったため、その条件をできるだけ再現して測定を行うこととした。しかしながら、測定結果は不安定であり、その原因について調査したところ、トリウムの汚染が考えられた。将来計画ではトリウムの汚染を低減するために実験環境の整備を進めることにした。フッ化カルシウムの結晶化による純化についても検討した。結晶成長の過程で不純物を排斥する現象が知られており、偏析現象と呼ばれている。この効果によって結晶の純度は1桁程度向上すると考えられているため、その効果をICP-MSによる分析で確認した。分析のために長さ9 cm直径0.9 cmの細長いフッ化カルシウム結晶を成長させた。細長い坩堝の一端から加熱し、加熱する領域を順次移動して結晶を成長させた。生成した長尺の結晶を切断し、約1.5 cmごとに5カ所のサンプルを切り出してウランおよびトリウムの濃度を分析した。その結果、ウランの濃度については顕著な偏析の効果が見られた。偏析効果のデータについては、ウランの濃度は期待通りの結果を得たが、トリウム濃度の測定はバックグラウンドの値が大きく変動し、正当な量を評価することができなかった。これはサンプル作成時にトリウムの汚染があったことが原因であると評価している。これらの結果を元に、サンプル作成環境の整備を行うことを検討した。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2024 2023 2022 Other
All Int'l Joint Research (4 results) Journal Article (3 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Peer Reviewed: 3 results, Open Access: 2 results) Presentation (20 results) (of which Int'l Joint Research: 6 results, Invited: 5 results)
Proceedings of Science: XVIII International Conference on Topics in Astroparticle and Underground Physics
Volume: 095 Pages: 1-4
Proceedings of the 37th Workshop on Radiation Detectors and Their Uses, KEK Proceedings 2023-1, (2024), p43
Volume: 2023-1 Pages: 43-56
日本結晶成長学会誌
Volume: 49-4 Pages: 01-10