Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
合金の分野で発見された準結晶構造が、近年高分子ブロック共重合体の相分離構造においても発見されてきた。高分子に見られる準結晶および準結晶の近似結晶は発現メカニズムが、金属合金で見られるものと本質的に同じか?ことなるか?などについて理解し、高分子系で発現する機構を解明することを目的とする。非常に複雑な構造でもあるが、全物質系に普遍的に発現する普遍的な構造であることとなり、今後は高分子材料としての利用・応用・機能性材料への展開などを見据えたフェーズに入れるような成果を求めていく予定である。
互いに非相溶な二成分の高分子鎖からなるブロック共重合体のミクロ相分離構造には成分比に応じて多様な構造を形成する。近年、球状ミクロ相分離構造を中心に新しい球状ドメインの充填構造(準結晶を含む)が発見されてきた。これらは金属系結晶やコロイド結晶などによる結晶形成機構に類似する点に加えて、高分子特有の性質が絡んでいる。それは、高分子球状ミセルが凝集する際に、個々の高分子鎖のコンフォメーションに対するフラストレーション(エントロピー)が大きく寄与し、特異的な相分離構造(準結晶、近似結晶など)形成を困難にしている。そのフラストレーションを軽減させることが複雑相分離構造を発現の鍵となることが明らかになってきた。その観点で、成分比の異なる二元ジブロック共重合体ブレンド系にすること(一つは組成対称的、もう一つは組成非対称性が大きな共重合体)、構成するブロック共重合体鎖間の屈曲性(クーン統計セグメント長)の非対称性(マイナー成分のクーン長が大きい)を大きくすることが有効であることを確認した。また一連の研究過程で、偶然ではあるが、これまでブロック共重合体単独では未発見であった三重周期極小局面を有する新規相分離(P-surface)を発見するに至った。このP-surface構造の発現にも、高分子鎖のパッキンフラストレーションが大きく寄与し、フラストレーションを低減させるために適切な分子量の高分子鎖とのブレンドが重要であることが分かった。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Int'l Joint Research (2 results) Presentation (10 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Invited: 1 results)