Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
2018年に報告された、通常の結晶とは構造が大きく異なる準結晶における超伝導は大きなインパクトを与えたものの、その超伝導転移温度の低さが課題となっている。組成を大きく変化させられるハイパーマテリアルとしてTsai型が挙げられる。Tsai型ハイパーマテリアルでは磁性研究が盛んにおこなわれてきた反面、非磁性系の探索は精力的に行われてこなかった背景があり、これを反映してか、超伝導の報告は近似結晶における2例に留まっている。そこで本研究では非磁性Tsai型ハイパーマテリアルの新物質探索を行う。
実空間にて周期性を持たないが、秩序構造を有する準結晶において、こうした構造中でどのような物性が発現するかが近年注目されている。準結晶と同一の局所構造を持ちながら、その構造には周期性を持つ近似結晶も、準結晶の性質を抽出するため同様に研究対象となっており、これら物質群は高次元構造を考慮することで統一的に記述できることから、ハイパーマテリアルと呼ばれている。本研究では、新規超伝導系の探索を目指し、非磁性ハイパーマテリアルの新規系探索を行った。昨年度発見したAu-Al-La系・Au-Sn-La系に加え、今回新たにAu-Ga-La 2/1近似結晶にて超伝導が発現することが確認された。この発見は昨年本研究グループが発見したAu-Al-La系に次いで、2/1近似結晶では2例目である。また単相領域を持ち、Au/Ga比の変化によって組成がチューニングできることも明らかとなった。しかしながら、これを同様に組成チューニングできるAu-Sn-La系と比較したものの、未だこれら系の転移温度をよく説明するものは見いだせていない。今後これを明らかとすべく、更なる実験に取り組みたいと考えている。液体急冷の検討も含め、準結晶の探索も引き続き行っていきたい。その他、0.4Kまでの測定では超伝導を示さなかったものの、多くの新規非磁性系を発見することに成功している。これらについても更なる低温領域の探索により、超伝導の発現が期待されることから、より共同研究を活発に進め、引き続き超伝導の探索を進めたい。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2023 2022
All Presentation (8 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)