固体電解質/ナノカーボン界面でのLi挿入脱離機構解明と新機能創出
Publicly Offered Research
Project Area | Science on Interfacial Ion Dynamics for Solid State Ionics Devices |
Project/Area Number |
22H04610
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Waseda University (2023) Nagoya University (2022) |
Principal Investigator |
乗松 航 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30409669)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
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Keywords | グラフェン / 固体電解質 |
Outline of Research at the Start |
研究期間全体の計画として、(1) 固体電解質/グラフェンにおけるLi挿入脱離機構の解明、および(2) グラフェンおよびカーボンナノチューブと固体電解質を用いた新機能・新規デバイスの提案を行う。これまでに(1)の手がかりを得ているが再現性が完璧ではないため、初年度には主に、より詳細な実験を行ってメカニズム解明とその発表を行う。それと並行して、(2)としてSiC上バッファー層へのLi挿入によって電気化学的にon/off動作するデバイスの試作を行う。また、グラフェンと類似の手法で得られる高密度CNT膜についても、固体電解質を用いた電気化学測定を行い、Li挿入脱離機構を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、固体電解質/ナノカーボン材料を負極モデル界面の一つとしてLi挿入脱離機構を明らかにし、新機能を創出することを目標としている。具体的には、固体電解質としてはリン酸リチウムオキシナイトライドガラス(LiPON)を、ナノカーボン材料としては乱層を含む多層グラフェン試料や、高密度高配向カーボンナノチューブ(CNT)膜を用いて、電気化学測定を行うことでLi挿入脱離機構を調べている。2023年度の実績として、乱層を含む多層グラフェン試料のサイクリックボルタンメトリー測定を行った結果、一般的なAB積層グラファイトとは異なる多数の酸化還元ピークが見られた。これは、乱層構造に特有のステージ構造が存在することを示唆している。また、CNT膜においても同様の実験を行ったところ、Li挿入脱離に伴うものとみられる挙動が観察されたものの、グラファイトの理論容量と比較すると1/3程度しかLiが出入りしていないことを示唆する結果が得られた。これは、CNTの先端が、キャップと呼ばれる閉じた構造を有していることと関係していると考えられる。そこで、このCNT先端のキャップ除去を試みている。 得られた成果について、2022年9月の領域公開シンポジウム、領域会議、2023年3月の領域会議において発表した。また、LiPON/グラフェン/SiCの電気化学測定の結果に関して、名古屋大学入山・本山グループとの共同執筆論文を、現在投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本公募研究において、研究代表者が得意とする多層グラフェンおよびCNT作製技術に基づいて、電気化学測定を行うことのできる試料を作製した。乱層を含む多層グラフェン試料での測定の結果、乱層特有のステージ構造の存在を示唆するピークが多数観察されたものの、その起源は明らかではない。そこで、電気化学測定を行いながらその場X線回折測定を行うことで、その詳細を調べる実験を行っている。現在までにおいて、実験条件を確立できていないため、予測とは大きく異なる結果が得られている。条件の改善と再現性の確認を行っているところである。高密度CNTに関する実験では、キャップ除去処理条件の探索を行っている。具体的には、まずは酸素中での加熱によるキャップ除去を行ったものの、結果は大きく変わらなかった。そこで、過酸化水素中加熱でのキャップ除去処理条件を探索している。 特筆すべき状況の変化として、研究代表者は2023年4月から、早稲田大学基幹理工学部電子物理システム学科に移動した。そのため2023年3月から、実験に用いる装置の立ち下げ・移設・立ち上げを行っている。本報告書執筆時点において、早稲田大学における装置を設置するための電気工事を待っている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、乱層グラフェン試料の電気化学測定を行いながらその場でX線回折測定を行う実験を繰り返すことで、Li挿入脱離とその際の構造変化について、再現性も含めて明らかにしていく。装置の立ち上げ状況にも依存するが、乱層グラフェンの層数を系統的に変化させた際の結果についても調べ、Li挿入脱離機構の詳細を明らかにする。高密度高配向CNT膜については、キャップ除去処理条件の最適化を行ったあとで、同様の電気化学測定を行う。本研究で用いるCNTは多層であることから、Liが入りうる場所として、CNT内、多層CNTの層間、CNT同士の隙間の3種類が考えられる。キャップ除去処理最適化ができれば、その中からの絞り込みができると考えられる。また、本研究では最終的には、固体電解質/ナノカーボンを用いた新機能創出も目指している。SiC熱分解法により、SiC基板上に電気伝導性のないバッファー層を作製し、バッファー層/SiC界面にLiを挿入すると電気伝導性を付与することができると考えられる。すなわち、電気化学的にon/off動作の可能なデバイスが実現できると期待される。この実験についても、研究終了時点までにデモンストレーションを行うことを目指す。 具体的な直近の方針として、2023年5月の大型連休明けに、早稲田大学における電気工事が完了する予定である。その後試料作製装置を立ち上げ、本研究にも本格的に取り組み、目標達成を目指す。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)