Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
電気化学デバイスの反応場である電極/電解質界面では、電極と電解質がそれぞれ異なる内部ポテンシャルを有しているため、ポテンシャルの補間が起こる。この領域はバルクとは異なる特異的な化学状態にあり、デバイスの特性に大きな影響を与えていると考えられている。本研究では2021年度までに開発したオペランドX線反射率法をLiCoO2正極/ Li1+xAlxTi2-x(PO4)3固体電解質モデル界面に適用することで、電気化学反応時に電極と電解質の固・固界面に形成する反応層の形成機構を明らかにし、高速イオン移動可能な固・固界面設計指針を打ち出す。
2023年度は全固体電池における正極/固体電解質の界面構造の分析のためのオペランドX線反射率法をLiCoO2/Li1+xAlxTi2-x(PO4)3(LATP)モデル界面に対して適用し、高電位保持状態における界面反応層の分析とその後低電位保持した際の界面反応層の分析を行なった。定電流により4.2 V (Li+/Li基準相当)到達まで充電した直後においては、LiCoO2/LATPモデル界面には数nmの膜厚の界面反応層が形成していた。さらに4.2 V (Li+/Li基準相当)下で12 h保持した際には、保持時間4 h未満では、界面反応層の膜厚は緩やかに増加し、界面反応層/LATP界面のラフネスは数nmの範囲で山なりに変化していた。保持時間4 h以上では界面反応層の膜厚は反応時間の平方根に比例しながら数十nmまで急激に増加し、界面反応層/LATP界面のラフネスは変化していなかった。界面反応層の散乱長密度は高電位保持状態において変化が見られなかった。これらのことから高電位下において反応層は時間とともに島状から膜状へとその形態を変えながら、電解質の方向へと成長していくことが明らかとなった。さらに、4.2 V保持後に3.0 Vで12 h保持を行うと、界面反応層のラフネスと散乱長密度は変化せず、厚みが減少していたことから、低電位下では高電位で形成した界面層が膜状のまま部分的に減少する可能性が示唆された。オペランドX線反射率法により、全固体電池正極/固体電解質における界面反応層の成長機構を明らかにし、低抵抗な正極/固体電解質界面を設計するための基礎的な知見を得ることに成功した。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2024 2023
All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results, Open Access: 1 results) Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)
Journal of Solid State Electrochemistry
Volume: - Issue: 12 Pages: 4377-4387
10.1007/s10008-024-05898-3
Solid State Ionics
Volume: 406 Pages: 116479-116479
10.1016/j.ssi.2024.116479
Journal of Materials Chemistry A
Volume: 11 Issue: 45 Pages: 24637-24643
10.1039/d3ta05426h