液胞内脂質分解酵素の活性調節機構
Publicly Offered Research
Project Area | Multimode autophagy: Diverse pathways and selectivity |
Project/Area Number |
22H04640
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
堀江 朋子 (川俣朋子) 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (70435527)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | オートファジー / リパーゼ / 液胞 / 脂質分解 / リポソーム / 分解 / オルガネラ / Atg15 |
Outline of Research at the Start |
オートファジーにより液胞/リソソームに運ばれるオルガネラの膜成分や脂肪滴などは、リパーゼにより分解されると考えられている。しかし、液胞/リソソームにおける脂質の分解・代謝の実態は、これまでほとんど解明されていない。本研究は、マルチモードオートファジーの終着点である”液胞”での脂質分解機構の全容を生化学的に明らかにすることを目的とする。 酵母をモデル系とし、液胞で唯一同定されている脂質分解酵素、Atg15リパーゼに着目し、その活性調節機構を明らかにする。また、Atg15以外のリパーゼが機能している可能性について、リパーゼの評価系を新たに構築することで種々のオルガネラ分解を担う酵素について解析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
オートファジーにより液胞/リソソームに運ばれるオルガネラの膜成分や脂肪滴などは、リパーゼにより分解されると考えられている。しかし液胞/リソソームにおける脂質の分解・代謝の実態は、これまでほとんど解明されていない。本研究は、マルチモードオートファジーの終着点である”液胞”での脂質分解機構の全容を生化学的に明らかにすることである。特に本研究では、出芽酵母を研究材料に用い、液胞に局在するリパーゼAtg15に着目して研究を行ってきた。これまでに、私はAtg15の活性を生化学的に検出できる系を確立している。その系を活用し、以下の3つの観点から解析を進めてきた。 1) Atg15の活性調節機構についての解析:Atg15の構造予測を基に、Atg15のリパーゼ活性に必須なアミノ酸残基を特定した。 2) Atg15と相互作用する新規タンパク質の機能解析:新規タンパク質の細胞内局在を明らかにした。さらに、Atg15のリパーゼ活性を制御できることを明らかにした。 3)Atg15が作用する膜脂質の特性評価:Atg15が液胞に局在しても液胞は存在していることから、Atg15は液胞膜には作用しないが液胞内部に取り込まれた膜脂質は分解できると考えられる。そのメカニズムを解析するため、Atg15の基質として、GUV(giant unilamellar vesicle)などの大きさや脂質組成の異なるリポソームを準備した。これらを使って実験を行っており、生体内でAtg15が作用する脂質膜の特性を調べる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、当初の計画通り進展している。特に、Atg15の活性調節機構については、構造予測をもとに生化学的実験をスムーズに進めてきた。その結果、Atg15が液胞へと運ばれ活性を持つためには、Atg15は様々な階層で異なる制御を受けていることを明らかにすることができた。また、Atg15が作用する膜脂質を解析するためにリポソームを使った実験をスタートさせ、順調に進展しており、近々明確な結論を出せると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、研究計画どおり、次の課題に取り組む。 前年度に引き続き、Atg15と結合する新規タンパク質については、顕微鏡を用いた局在解析と、細胞分画を組み合わせた実験を行う。Atg15と新規タンパク質の存在状態について詳細に調べ、新規タンパク質が具体的にいつどこでどのようにAtg15を制御するのかを明らかにする。また、液胞にはAtg15以外にリパーゼが存在する可能性があるため、実験的に調べていく予定である。まず最初に、液胞抽出液に含まれる(Atg15リパーゼ以外の)リパーゼ活性を検出するところから研究を始める。未知のリパーゼの場合は、至適条件を探索することが研究の進展に不可欠であるため、様々な反応条件を試しながら進めていく。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)