Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
細胞膜は多くの重要な生理機能を発揮するために、細胞膜成分の量や質は厳密に制御されなくてはならない。エンドサイトーシスを介した細胞膜成分の分解は、広義のオートファジーとして捉えることができるが、その詳細な制御機構および生理機能については依然不明な点が多い。本研究では、刺激依存的な細胞膜成分の分解・分解回避機構について、異なるオルガネラが近接して形成される“オルガネラコンタクト”に着目し、その新規メカニズムと生理的役割の解明を目指す。
今年度は、まず我々が着目している新規エンドサイトーシス制御分子の作用機序についてイメージング解析を行った。昨年度同定した候補結合タンパク質群について、エンドサイトーシス小胞への局在化とそのタイミングについて解析を行い、アクチン制御分子については共局在性を確認した。また、候補アプローチから見出したBarドメイン含有分子についても検討したところ、極めて高い頻度で共局在することが判明した。興味深いことに、このBarドメイン含有分子はエンドサイトーシス初期にエンドサイトーシス小胞にリクルートされ、それに続くタイミングで新規エンドサイトーシス制御分子がリクルートされることが明らかになった。次に、新規エンドサイトーシス制御分子による細胞膜成分分解の意義を見出すため、ノックアウト細胞を樹立してその表現型の解析を行った。種々のオルガネラマーカーを用いた免疫染色では、主要なオルガネラの形態や分布に大きな異常は見られなかった。しかし、受容体分子のエンドサイトーシスに異常を見出した。特に、候補アプローチから見出したBarドメイン含有分子が制御することが報告されているリガンド依存性の受容体については、エンドサイトーシスのスピードが顕著に遅延していた。蛍光標識したリガンドを用いてその受容体分子のエンドサイトーシスをイメージング解析したところ、ノックアウト細胞ではエンドサイトーシス後にエンドソーム・リソソーム様構造に受容体分子が蓄積することが判明した。さらに、この欠損細胞では受容体のリガンド刺激後のシグナル伝達機構にも異常がみられたことから、メンブレンコンタクトを介した受容体分子の新たな制御機構が示唆された。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Journal Article (5 results) (of which Peer Reviewed: 4 results, Open Access: 3 results) Presentation (6 results) (of which Invited: 4 results) Book (1 results)
Journal of Cell Biology
Volume: 223 Issue: 2
10.1083/jcb.202401047
Cell Reports
Volume: 42 Issue: 10 Pages: 113195-113195
10.1016/j.celrep.2023.113195
Current Opinion in Chemical Biology
Volume: 73 Pages: 102262-102262
10.1016/j.cbpa.2022.102262
解剖学雑誌
Volume: 98 (2) Pages: 50-53
生化学
Volume: 94 Issue: 4 Pages: 611-615
10.14952/SEIKAGAKU.2022.940611