Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
細胞は多彩な膜オルガネラを発達させて細胞内を区画化している。オルガネラは相互に膜と内容を交換し合う、ダイナミックなシステムを形成している。オルガネラのダイナミクスが生物の高次機能と密接に関連することを明らかにし、その過程で、オルガネラが他のオルガネラを「飲み込む」ミクロオートファジーとよばれる現象を見出した。このユニークな膜動態の新生仔小腸における意義を明らかにする。ミクロオートファジーを介したオルガネラ動態は新生仔の栄養吸収と生育、母体からの免疫賦与、腸内細菌叢の確立、細菌やウイルスの感染の入口、など多岐に関わると予想され、その実態とメカニズムの理解は重要と考える。
吸収上皮は、多細胞体制をとる生物の「外」と「内」を区画化し、それらの間の物質輸送と情報交換を担う組織である。私たちは発生初期胚の上皮においてリソソームがエンドソームを丸ごと「飲み込む」、ミクロオートファジーが起きることを見出してきた。さらに、乳飲期のマウス小腸でも同様のミクロオートファジーが起きていることをを見出してきた。ミクロオートファジーにおいては、リソソーム内に「飲み込まれた」エンドソームとリソソーム内腔の混合が起きる際、エンドソーム膜・リソソーム膜の両者が分解されることが必須となる。新生仔マウス小腸のex plant培養に各種の阻害剤を加えてその効果をみたところ、エンドソーム・リソソーム膜分解は、Ser残基に特異性を持つ修飾試薬によって顕著に阻害されること、ロイペプチンやアプロチニンでは阻害されないこと、を見出した。ミクロオートファジーは、生後2ー3週の新生仔マウスでは起きるものの、離乳したマウスではもはや起きない。新生仔マウスと離乳後マウスの遺伝子発現の変化を見ることで、ミクロオートファジーに必要な分子装置を明らかにできると考え、transcriptomeの比較を行った。転写因子BlimpやMaf, Mafbなどが乳飲期マウスに特異的に発現することが確認でき、先行研究の結果を追認できた。さらに新たな幾つかの特異的遺伝子を見出した。その中にはオルガネラ内腔の酸性化に機能するV-ATPaseの活性中心サブユニット、幾つかのsolute transporter、シグナル伝達コンポーネントなど、興味深いものを見いだした。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Journal Article (7 results) (of which Peer Reviewed: 7 results, Open Access: 7 results) Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results)
Biological and Pharmaceutical Bulletin
Volume: 47 Issue: 1 Pages: 339-344
10.1248/bpb.b23-00833
Scientific Reports
Volume: 13 Issue: 1 Pages: 22084-22084
10.1038/s41598-023-49520-4
Cell Structure and Function
Volume: 48 Issue: 2 Pages: 223-239
10.1247/csf.23061
J. Biol Chem.
Volume: 299 Issue: 10 Pages: 105191-105191
10.1016/j.jbc.2023.105191
Volume: 45 Issue: 10 Pages: 1419-1425
10.1248/bpb.b22-00205
Sci Rep.
Volume: 12 Issue: 1 Pages: 13590-13590
10.1038/s41598-022-18002-4
Volume: 12 Issue: 1 Pages: 8455-8455
10.1038/s41598-022-12397-w