Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
ペルオキシソームは真核生物のほぼ全ての細胞に存在する細胞内代謝に重要なオルガネラである。申請者の予備的な実験により、マウス初期胚においてペルオキシソームのリソソームを介した分解(ペキソファジー)が発生過程に連動して起きていることが観察された。ペキソファジーはストレスモデルを用いた研究によりその分子機構が徐々に明らかにされつつあるが、哺乳類における生理的条件下、特に個体発生における役割はほとんど研究が進んでいない。本研究課題では、ペキソファジーを制御する上流因子の同定からリリソームでの分解までの分子機構の解明と、そのマウス初期胚発生における生理的意義の解明を試みる。
前年度までの解析により、マウス初期胚においてペルオキシソームがオートファジー経路により分解されることが明らかとなった。当該年度はより詳細な動態と分子機構を解明することを試みた。マウス初期胚のペルオキシソームを蛍光タンパク質で標識し、ライブセルイメージングによりペルオキシソームの動態や分解過程を時空間的に観察したところ、発生過程依存的な形態変化が確認された。また、pH感受性蛍光プローブを用いたライブセルイメージングによりペルオキシソームが分解される正確な時期が同定された。電子顕微鏡を用いた超微構造の解析により、マウス受精卵におけるペルオキシソームは培養細胞などでは観られない特徴的な構造を示すことが明らかとなった。選択的オートファジーでは基質と隔離膜を繋ぐ受容体が存在し、ペキソファジーにおいてもいくつかの受容体が報告されている。発生過程におけるペキソファジーの詳細な分子機構を解明するためにペキソファジー受容体の同定を試みた。既知の受容体とペルオキシソームを免疫蛍光共染色し、初期胚発生過程におけるペキソファジーとの関連を検証した。初期胚発生過程では受精直後にオートファジーが活性化されることが知られている。本研究課題で解析しているペキソファジーが一連のオートファジー分解の一部であるか、特異的な分解であるかを調べるために、分解前後の時期であるE0.5とE4.5のマウス受精卵を用いて定量的プロテオームにより比較解析した。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2023 2022
All Presentation (5 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)