Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
光合成オルガネラである葉緑体は、太陽光によるダメージを常に受けている。私たちは、ダメージを受けた葉緑体がどう処理されるのか?に着目し、損傷葉緑体がミクロオートファジーによって液胞内へと輸送、分解される経路「ミクロクロロファジー」を見出した。本研究では、ミクロクロロファジーに関する遺伝子機能を解明することで、その基質認識・輸送を担う分子機構を明らかにしていくことを目指す。
本研究計画は、損傷葉緑体を除去する選択的ミクロオートファジー「ミクロクロロファジー」作動の仕組みを解明し、マルチモードオートファジーの一経路として確立することを目指すものである。特に、損傷葉緑体の認識因子、葉緑体を液胞内へと輸送する際に必要となる膜動態を支える因子、の2点に焦点を当てた解析を行い、2023年度は以下のような成果が得られた。前年度までに整備した、オートファジー膜で基質認識に関わるATG8の結合タンパク質候補の変異株、およびクロロファジー抑制化合物の結合ターゲット候補の変異株については、クロロファジー活性が大幅に低下する変異株系統は得られなかった。単一遺伝子を欠損させる逆遺伝学アプローチではクロロファジーに関わる因子の機能解析が十分に進まないことが想定されたため、同じく前年度に発見していた膜交通因子の一部がクロロファジーの過程で葉緑体上に集積するという現象に特に着目し、複数の関連因子について蛍光タンパク質を融合させたコンストラクトを準備し、その局在変化を評価するライブセルイメージング解析を行った。その結果、複数の膜交通因子に加え、小胞輸送の機能に関わるリン脂質がクロロファジーの過程で損傷葉緑体上に集積することが明らかとなった。そして着目した膜交通因子の活性化を担うタンパク質の機能低下株では、クロロファジー活性が大幅に低下した。以上の成果から、膜交通における機能がよく知られていた因子がクロロファジー輸送過程にも機能するという新たな現象の存在が示唆された。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2024 2023
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)
eLife
Volume: 93232 Pages: 1-38
10.7554/elife.93232.1