Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
組織幹細胞は、発生期を通じてその役割を変化させながら、機能的な組織を構築する。大脳を構築する大脳神経幹細胞は、エピブラスト(胚盤葉上層)から誘導された外胚葉が神経板となり、続いて管状の神経管を形成し、そして最も前側に位置する神経上皮細胞から分化する。本研究では、エピブラストから神経系に誘導されてニューロン・アストロサイトを産生するまでの神経幹細胞の全発生過程における運命転換の基盤となる非ゲノム情報(ポリコーム関連因子、オープンクロマチン領域)の重要性を明らかにすることを目指す。
我々の思考や行動をつかさどる脳は、胎児期から周産期にかけて発達して機能を獲得しする。この過程では遺伝子発現パターンが大きく変化することで、細胞の運命が次々に転換していくため、遺伝子発現をつかさどる非ゲノム情報の役割は重要である。本研究では、脳が形成される最初期から実際に脳機能が獲得されるまでの期間において、クロマチン構造やエピジェネティック修飾といった非ゲノム情報が果たす役割を明らかにすることを目的とした。私たちは、神経幹細胞の増殖・分化にポリコーム群タンパク質と拮抗する活性型エピゲノム因子であるUtxが重要であることを明らかにした(Koizumi et al., FASEB J., 2022)。また、神経幹細胞の制御に重要な役割を果たすHmga2の分子機能の詳細を明らかにした(Kuwayama et al., Nat. Commun., 2023)。さらに、脳機能が獲得される発生後期過程や機能が低下する老化過程ででニューロンの核の形態や物理的性質がダイナミックに変化することを明らかにした(Frey et al., Aging Cell, 2023)。これらの研究はほぼ全て生体内の脳から採取したサンプルを用いて遂行したが、そのために生体内の神経系細胞に適切に遺伝子導入を行う手法の開発した(Kishi et al., bioRxiv, 2023)。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Proc. Natl. Acad. Sci. USA
Volume: 121 Issue: 16
10.1073/pnas.2317783121
Aging Cell
Volume: 22 Issue: 9 Pages: 1-14
10.1111/acel.13925
Nature Communications
Volume: 14 Issue: 1 Pages: 6420-6420
10.1038/s41467-023-42094-9
FASEB journal
Volume: 36(12) Issue: 12 Pages: 22662-22662
10.1096/fj.202201002rr
bioRxiv
Volume: - Pages: 504704-504704
10.1101/2022.08.22.504704
Volume: - Pages: 086330-086330
10.1101/2020.05.14.086330
https://www.iqb.u-tokyo.ac.jp/pressrelease/230725/