ヒストン化学修飾とヒストンバリアントによる協調した転写制御機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Mechanisms underlying replication of non-genomic codes that mediate plasticity and robustness for cellular inheritance |
Project/Area Number |
22H04704
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
立和名 博昭 公益財団法人がん研究会, がん研究所 がん生物部, 研究員 (70546382)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥8,970,000 (Direct Cost: ¥6,900,000、Indirect Cost: ¥2,070,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
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Keywords | エピジェネティクス / クロマチン / ヒストン / アセチル化 / 遺伝子発現 / HDAC |
Outline of Research at the Start |
HDAC依存的な転写制御機構を明らかにするために、HDAC、HAT、ヒストン修飾、H2A.Zおよび転写因子の関係を明らかにし、HDACによる新規の転写制御機構を明らかにする。また、HDAC阻害によりH2A.Z の取り込みに変化が起きるのは、がん細胞の種類に特異的である。明らかにしたメカニズムから、HDAC阻害による細胞特異性がみられる原因の解明を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
乳がんは女性で最も罹患率の高いがんで、その中でもエストロゲン受容体(ER)陽性型は全乳がんの約70%を占める。ER 陽性乳がんはER に依存して増殖するため、ER をコードするESR1 遺伝子の転写制御機構の解明は重要である。しかし、ESR1 遺伝子の転写制御機構は明らかとなっていない。本研究ではESR1遺伝子の転写がヒストンのアセチル化レベルを亢進させるヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害により抑制されるメカニズムの解析から、ESR1 遺伝子の転写制御機構の解明を試みている。まず、ER陽性乳がん細胞において、ESR1遺伝子と同様にヒストン脱アセチル化酵素阻害剤により、転写が抑制される遺伝子群の同定を行い、共通する特徴を見出すことを次世代シーケンサーを用いたtotalRNA-seqにより試みた。その結果、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤を添加してすみやかに転写が抑制される約50遺伝子を同定した。そして、これらの遺伝子に共通する特徴として、ヒストン脱アセチル化酵素の阻害依存的にH2A.Z の局在がgene body上に増えることを見出した。2022年度は転写が抑制されるメカニズムを明らかにするために、RNAポリメラーゼII の結合がヒストン脱アセチル化酵素の阻害剤によりどう変化するのかをクロマチン免疫沈降法により解析した。その結果、ヒストン脱アセチル化酵素の阻害により転写が抑制される遺伝子において、RNAポリメラーゼII の転写伸長は阻害されておらず、プロモーターへの結合が阻害されていることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
転写が抑制される段階を同定した。次にヒストン脱アセチル化酵素の阻害により、RNAポリメラーゼII のプロモーターへの結合が起きなくなるメカニズムを明らかにすることができるため。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒストン脱アセチル化酵素の阻害によりプロモーターの構造が変化していることが考えられる。そこで、ATAC-seqによりヌクレオソームの形成を解析する。さらに、4C-seq によりクロマチン間の相互作用の変化を解析する。また、基本転写因子の結合が阻害されているかどうかを確認を行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)