Mechanisms of transcriptional regulation underlying periodicity and modulation in cell proliferation during plant development
Publicly Offered Research
Project Area | Intrinsic periodicity of cellular systems and its modulation as the driving force behind plant development |
Project/Area Number |
22H04714
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
伊藤 正樹 金沢大学, 生命理工学系, 教授 (10242851)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥7,540,000 (Direct Cost: ¥5,800,000、Indirect Cost: ¥1,740,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
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Keywords | 細胞周期 / 細胞増殖 / シロイヌナズナ / 細胞サイズ / プラスチド / 転写制御 / 細胞分裂 / チェックポイント |
Outline of Research at the Start |
植物の葉や花などの器官は多くの細胞から成っており、植物が成長する際には細胞が分裂し数を増やす必要があります。植物が適切な形や大きさの器官を形成するのは、このときの細胞分裂が厳密に制御されているためです。本研究ではこのような植物の形作りに重要な細胞分裂の制御の仕組みを明らかにします。また、動物のように動くことのできない植物は環境の変化に応じて自らの成長を柔軟に調節する能力を持っています。このような周囲の環境や細胞内の状態に応じて細胞分裂を柔軟に制御する仕組みについても研究を行います。
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Outline of Annual Research Achievements |
DREAM complexはE2FとMYB3Rを同時に含むタンパク質複合体であり、広範囲の細胞周期遺伝子の転写を制御していることを明らかにしている。DREAM構成因子の1つをコードするTCXファミリーには、気孔前駆細胞に特異的なSOL1とSOL2が存在している。sol1,2二重変異体では気孔前駆細胞に過剰な細胞分裂が生じるが、この異常がR2R3型Myb転写因子FLPの変異体とよく似ていることから、これらが組織特異的なDREAM様複合体を形成しいるのではないかという仮説を立てている。FLPと機能重複するMYB88の変異を加えたsol1,2 flp myb88四重変異体では過剰分裂が強く促進されることから、SOL1/2とFLPが密接に関連して機能していることが改めて示唆された。また、DREAM構成因子の変異を組み合わせた多重変異体の解析から、sol1,2とflpの表現型は複数の因子により同様の影響を受けることがわかった。さらに、BiFCのシステムを用いて、植物細胞内でのタンパク質間相互作用を調べたところ、SOL1とFLPの間の相互作用だけではなく、双方ともに複数のDREAM構成因子と相互作用することがわかった。 細胞サイズ制御因子SCL28については、SCL28を過剰発現するシロイヌナズナを用いて、気孔や初期胚など多くの細胞型、組織において細胞サイズを解析した結果、調べた全ての細胞においてSCL28を過剰発現させるとサイズが拡大することが示された。また、EdU取り込みを利用した細胞周期の解析より、scl28変異体やSCL28標的遺伝子smrの変異体ではG2期が短縮すること、SMR過剰発現体ではG2期延長することから、SCL28がSMRの発現制御を介してG2期をコントロールすることで細胞サイズに影響する仕組みが改めて強く支持された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DREAM complexを構成するTCXと同じファミリーに属するSOL1/2が組織特異的なDREAM様複合体を形成している可能性を提案している。表現型の類似性からSOL1/2とFLPが共通の組織特異的複合体を形成している可能性がある。昨年度までの研究により、sol1/2とflpが相互に表現型を相乗的に促進することを明らかにしたが、2022年度の研究からDREAM complexを構成する複数の因子の変異が、sol1 sol2とflpの表現型に同様に影響することが明らかになった。つまり、MYB3Rを初めとしたいくつかのDREAM構成因子の変異が表現型を促進した一方、E2Fの変異により異常が回復することが示された。これらの結果は、SOL1/2とFLPの機能が相互に密接に関連しているだけでなく、双方がDREAM complexの構成因子とも関連していることを示唆している。また、これまで、免疫沈降と質量分析を用いた複合体タンパク質のプロテオーム解析を行なってきたが、FLPやSOL1/2がDREAM構成因子と複合体を形成している明確な証拠を得ることはできなかった。しかし、2022年度に行なったBiFCを用いた実験から、FLPとSOL1/2が植物細胞内で、物理的に相互作用している可能性が示された。この実験結果だけからは結論することはできないが、今後の研究を進める上で大きな前進となった。DREAM complexに類似したサブユニット構成を持つ組織特異的な複合体は、ショウジョウバエの精巣特異的な複合体tMACの一例が知られるだけであり、本研究の成果はProof of conceptの観点から重要な価値を持つものである。
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Strategy for Future Research Activity |
DREAM complexのサブユニットとして、TCXファミリーのタンパク質が知られている。このファミリーの因子のうち、SOL1/2がDREAM complexと類似した構造の組織特異的な複合体を形成しているという仮説を立てており、この仮説の検証に向けて免疫沈降と質量分析を組み合わせた生化学的な実験を行う。具体的には、目的タンパク質の検出感度を高めるため以下の方策をとる。(1) SOL1-GFPやFLP-GFPを発現するコンストラクトを、気孔前駆細胞が大幅に増加する変異体scrm-Dに導入し、抗GFP抗体を用いた免疫沈降を行う。(2) 近位標識法(Proximity Labelling)を用いた方法を導入する。SOL1やFLPをTurboIDとの融合タンパク質として発現するシロイヌナズナを作出し、ビオチン化反応の後、ストレプトアビジンを用いたアフィニティ精製を行う。このようにして精製し複合体を質量分析により解析し、含有されるタンパク質の同定を行う。 細胞サイズ制御に重要なGRAS型転写因子SCLは、核とプラスチドの両方に局在するという興味深い性質を持っている。SCLのプラスチド局在の意義を明らかにするため種々の角度から研究を行う。また、SCLには全ての陸上植物にオルソログが存在することがわかっている。SCLによる細胞サイズ制御の進化的な背景を調べるため、モデルコケ植物である、ゼニゴケやヒメツリガネゴケにおけるSCLオルソログの細胞内局在や変異体の表現型解析を行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(21 results)