Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
植物が変化する昼夜や季節環境に適応していること, 環境への適応の一環として形態を制御することを考慮すると, 植物はその一生の間絶えず時計を利用して柔軟に発生過程を調節していると考えられる. 本研究は, 申請者が世界に先駆けて開発したユニークな周期調節化合物や整備してきた時計周期変異体の利用によって, これまで見過ごされてきたシロイヌナズナの一生にわたる概日時計による発生制御を明らかにする. 領域内の理論グループとの共同研究にも取り組み, 周期の変調の結果として期待される発生変化を, 周期調節化合物を投与する実験によって実証する.
時計周期変調化合物の処理および周期変異体の解析から、時計は花成ホルモン(FT)に依存しない花芽形成に関与する可能性を見出している。特にPRESUDO-RESPONSE REGULATOR 7 (PRR7)やPRR5の過剰発現体は、茎頂で機能するMADSbox型の花芽誘導転写因子をコードする遺伝子の発現が上昇していた。より包括的にPRR7とPRR5によるMADSbox遺伝子の制御のメカニズムの手がかりを得るため、細胞内の近接標識法によってPRR7の相互作用因子候補を探索した。得られたタンパク質の中に転写抑制活性に関わると想定されるタンパク質を見出した。この因子とPRR7の遺伝学的関係性を調べたところ、因子の変異はPRR7過剰発現体の早咲きなどの表現型をキャンセルした。またこの変異体はPRR7によるMADSbox遺伝子の発現上昇効果を弱めた。PRR7は朝方の時計関連遺伝子CIRCADIAN CLOCK-ASSOCIATED 1 (CCA1)およびそのホモログであるLATE ELONGATED HYPOCOTYL(LHY)の転写を抑制することが知られていたが、CCA1とLHYへの抑制効果はこの遺伝子の変異によって解除された。さらに網羅的解析から、PRR7の標的遺伝子の発現がこの変異体で上昇していた。さらに時計周期延長化合物の作用機序を、遺伝子発現プロファイリングから推定する試みをしたところ、この化合物はCCA1の発現制御に関わることが判明した。CCA1の制御に関わるPRRタンパク質群のうち、PRR7タンパクのみが本化合物によっての量的に変化した。prr7変異体では、この化合物によるCCA1の発現変化がキャンセルした(Uehara et al., Plant Cell Physiol. 2023)。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2024 2023 2022
All Journal Article (7 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 7 results, Open Access: 6 results) Presentation (11 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Invited: 5 results)
Plant And Cell Physiology
Volume: 64 Issue: 11 Pages: 1397-1406
10.1093/pcp/pcad107
PLOS ONE
Volume: 18 Issue: 12 Pages: e0285241-e0285241
10.1371/journal.pone.0285241
New Phytologist
Volume: 241 Issue: 1 Pages: 28-31
10.1111/nph.19323
Volume: 235 Issue: 4 Pages: 1336-1343
10.1111/nph.18298
Plant Physiology
Volume: in press Issue: 2 Pages: 952-967
10.1093/plphys/kiac107
Plant and Cell Physiology
Volume: 63 Issue: 11 Pages: 1720-1728
10.1093/pcp/pcac127
Biosci. Biotechnol. Biochem.
Volume: 86 Issue: 12 Pages: 1623-1630
10.1093/bbb/zbac160