Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本応募課題では,植物の葉,茎といった器官の発生順序や空間的配置の周期と変調を明らかにすることを目的として,ラベル付け作業が直感的に理解できる技術,ならびに負荷が少ない器官のセグメンテーション技術を開発する.全体の計画として,令和4年度は,インタラクティブ学習を用いた器官セグメンテーション技術を開発する.令和5年度は,前年度に開発したセグメンテーション技術をもとに,器官の発生の周期や変調を解析する.それに加えて,広く植物の研究に利用してもらうことを目的として,開発した技術をもとにセグメンテーションを行うWeb アプリケーション開発をして,一般に公開する.
今年度は,CTで撮影されたキクタニギクやツバキの花や,アリ植物のデータに対して画像処理を行い,形質データを獲得したり,得られたデータを元に器官の周期性を求めた.また,イチリンソウとその近縁種に関して,新たな花弁の配置推定手法を提案した.まず,キクタニギクでは,花床と小花の接点を検出し,結果を3次元的に統合した.そして,花床上の3次元の接点の位置の周期性を解析した.接点検出では,CT データから縦断面のスライス画像を作成し,画像から花床のセグメンテーションと花床,小花の接点の検出を適用し,3次元的に統合することで,3次元空間上での接点の位置を推定した.この結果をもとに,接点同士の距離を計測して,花床と小花の生育時の周期の変調の解析を行っている.ツバキの花のCT画像に対して,新たに花弁のセグメンテーション手法を提案した.ツバキの花の横断面の画像の花弁の様子は,現在の画像セグメンテーション手法の多くの対象物体とは形状の特徴が異なっており,画像にセグメンテーション手法をそのまま適用すると,精度が低下する.そこで,本研究では,画像を細く切り出した画像に対してセグメンテーション手法を適用することで,精度を向上させた.実験の結果,従来手法をそのまま適用するよりも高精度にセグメンテーションが可能となり,3次元統合により,個々の花弁を識別した状態で,3次元形状を復元できた.アリ植物のデータでは,横断面画像に対して空洞部分の検出を行い,検出結果を統合して空洞の3次元形状を推定できた.空洞部分の検出では,閾値処理やモルフォロジー変換,凸包検出を用いた.イチリンソウとその近縁種の花弁の配置推定では,画像を入力とし,出力を花弁の配置とするend-to-end での推定手法を新たに提案した.学習には,花弁の順序推定が既知である合成画像を用いた.実験の結果,合成画像に対して順序推定が一部可能となった.
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2024 2023 2022
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results, Open Access: 1 results) Presentation (8 results) (of which Invited: 2 results)
Frontiers in Plant Science
Volume: 15 Pages: 1-14
10.3389/fpls.2024.1334362
情報処理
Volume: 65 Pages: 172-175