Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
モデル植物ゼニゴケを用いて、各組織中の細胞におけるCa2+濃度の自発的変動や、刺激により誘導される迅速な長距離の情報伝達系のメカニズムや生理的意義を解明する。自発的Ca2+濃度変化に関与する因子を同定し、分子機構の解明を目指す。さらに細胞固有のCa2+濃度の周期的変動とシグナル伝播との相互作用により、Ca2+シグナルの変調が細胞の分裂・伸長パターンの変化の鍵を握るとの作業仮説を検証する。
ゼニゴケの細胞質Ca2+濃度の時空間変化を、生理的状態を保ちながら個体全体から細胞内まで可視化解析する手法を改良し、長時間安定的に高精度のデータ取得が可能となった。その結果、以下を見出した。① 仮根の極性先端成長の伸長速度を高精度に定量化した。先端成長の方向と速度が青色光により制御される。仮根先端部において細胞質Ca2+濃度が周期的に振動し、その変調と伸長速度とが相関する。② 無性芽~葉状体の発生過程を通して分裂組織の個々の細胞内の細胞質Ca2+濃度が細胞の位置毎に異なる周期で自発的に変動し、細胞内・細胞間を伝播する。③ 維管束系を持たないにもかかわらず、接触・傷等の多様な刺激により、細胞質Ca2+濃度・活性酸素種(ROS)・電気シグナルが約1.2 mm/sの速度で長距離伝播し、遠位の分裂組織の細胞質Ca2+・ROS濃度が急激かつ一過的に上昇する。刺激誘導性ROSシグナルはROS生成酵素MpRbohBが担うが、細胞質Ca2+濃度・電気シグナルの波状の伝播には必要ない。④ ①~③の細胞質Ca2+濃度変化に関与する因子の同定を目指して、変異体を系統的に作出し、表現型の解析を進めると共に、遺伝子破壊系統の順遺伝学的スクリーニングを進めた。③が抑制される変異体を複数見出し、原因遺伝子の同定と機能解析を進めた。一つはイオンチャネルGLRであり、性質の解析を進めた。⑤ 全てのNox/Rbohを破壊した全生物界で初の例となるMprbohA/BKOが細胞分裂・分化に重篤な表現型を示すことを見出し、細胞質Ca2+濃度変化・ROSシグナルの下流で機能する標的因子の解析を進めた。rboh欠損およびROS消去処理下でトランスクリプトーム解析により細胞周期関連遺伝子発現に対する影響を発見した。ROSシグナルの下流で細胞周期進行が正に制御される可能性が示唆され、種々の細胞周期マーカーを用いて検証した。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Int'l Joint Research (5 results) Journal Article (8 results) (of which Int'l Joint Research: 6 results, Peer Reviewed: 8 results, Open Access: 8 results) Presentation (66 results) (of which Int'l Joint Research: 18 results, Invited: 11 results) Remarks (3 results)
New Phytologist
Volume: 242 Issue: 5 Pages: 1865-1875
10.1111/nph.19709
Scientific Reports
Volume: 14 Issue: 1 Pages: 3172-3172
10.1038/s41598-024-53104-1
Plant and Cell Physiology
Volume: 65 Issue: 4 Pages: 660-670
10.1093/pcp/pcad159
Physiologia Plantarum
Volume: 175 Issue: 6
10.1111/ppl.14101
Plant Methods
Volume: 19 Issue: 1 Pages: 142-142
10.1186/s13007-023-01118-7
Volume: 12 Issue: 1 Pages: 12525-12525
10.1038/s41598-022-16641-1
Methods in Molecular Biology
Volume: 2526 Pages: 107-122
10.1007/978-1-0716-2469-2_8
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Volume: 13 Pages: 978586-978586
10.3389/fpls.2022.978586
https://www.tus.ac.jp/today/archive/20230411_6537.html
https://www.tus.ac.jp/today/archive/20240124_7312.html
https://www.tus.ac.jp/today/archive/20220518_2583.html