Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
多くのタンパク質では、化学反応活性部位における精緻な酵素反応や光化学反応が、遠位のリガンド・タンパク質結合部位と大規模なタンパク質構造変化を通して相関することにより、顕著な分子機能が発現する。本研究では、それらの化学反応とタンパク質ダイナミクスの相関の記述を可能にするハイブリッド自由エネルギー構造最適化法を用いて、TR-SFX 実験と共同でイクオリン発光タンパク質の発光制御機構の理論的解明を行う。また、光遺伝学で用いられている光駆動アニオンポンプであるハロロドプシンの光活性化過程の構造変化に関しても、イオン移動の自由エネルギープロファイル解析を行い、イオン能動輸送の分子機構を解明する。
多くのタンパク質では、化学反応活性部位における精緻な酵素反応や光化学反応が、遠位のリガンド・タンパク質結合部位と大規模なタンパク質構造変化を通して相関することにより、顕著な分子機能が発現する。本研究では、まずQM/MM RWFE-SCF 法を用いて、本研究領域の中津らによりTR-SFX 実験が進められている、イクオリン発光タンパク質の発光制御機構の解明を行った。これまでの計算で得られているイクオリンの resting 状態の自由エネルギー最適化構造と、中津らにより得られたカルシウムイオン結合構造に基づき、カルシウムイオン結合に伴う構造変化を MD シミュレーションにより明らかにした。その結果、タンパク質の大きな構造変化と、それに伴うイクオリン結合部位への水分子の侵入を観測した。また、その水分子の侵入により推定されるイクオリン分子内プロトン移動後の中間状態に対して、QM/MM RWFE-SCF 自由エネルギー構造最適化計算を行ったところ、化学発光前駆体であるジオキセタノン中間状態の自発的な生成を観測した。このジオキセタノン中間体の線形応答自由エネルギーは、非常に低く、エネルギー的に生成が可能であることを見出した。また、NpHR のアニオンポンプ光活性化状態における、光活性化状態の構造モデリングを QM/MM RWFE-SCF 法を用いて行った。その結果、チャネル内のアルギニン側鎖が顕著に動き、C ヘリックスが屈曲し細胞内領域へのチャネルが開いた中間状態が得られた。その構造に対して、塩素イオン透過の自由エネルギープロファイルをアンブレラサンプリング法により計算した。その結果、その中間状態では、細胞内側のイオン結合部位へのイオン透過が可能となる自由エネルギープロファイルとなっていることを明らかにした。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2023 2022 Other
All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 3 results, Open Access: 2 results) Presentation (19 results) (of which Int'l Joint Research: 5 results, Invited: 3 results)
The Journal of Physical Chemistry B
Volume: 127 Issue: 46 Pages: 9873-9886
10.1021/acs.jpcb.3c02146
Volume: 127 Issue: 21 Pages: 4870-4885
10.1021/acs.jpcb.2c08385
Nature Communications
Volume: 13 Issue: 1 Pages: 6208-6208
10.1038/s41467-022-34017-x